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日向を見送ってから1年。
ブラジルで練習にバイトに頑張っている日向からたまに写真が送られてくる。
私はというと
「いってきます。」
『いってらっしゃい。』
最近、蛍がかなり忙しくて。
朝のこの時間と夜も私が遅番の日が続いていて話す時間があまり取れない。
仕方がないことなんだけどね。
ただ、
『やっぱり少し多い?』
蛍のTシャツの洗濯物が増えた気がする。
明光さんのチームで練習をしてるのは変わっていないから、着替える回数が増えたのか、練習の回数が増えたのかもしれない。
片付けを少しして、自分の支度を整えて家を出る。
遅番の仕事が終わるのは23時過ぎ。
帰れば疲れた蛍がきっと眠っている頃。
静かに扉を閉めてリビングに入れば、やりかけのレポートと共にテーブルに突っ伏している。
そっとブランケットを掛けて、お風呂に入って寝る支度。
こういう時の蛍を起こすのはとても▪▪▪勇気がいる。
何回か経験がある。
その為に完全に寝る支度を終えたんだから。
『蛍、蛍。疲れ取れないし、風邪引くよ。』
本当はこのまま寝かせてあげたいけど、疲れも取れないし体にも良くない。
何度か呼べば、重い瞼を少しだけ開けて辺りを確認している。
「▪▪▪おかえり。」
『ただいま。ベッドで寝ないと体によくないよ▪▪▪!』
「ん〜▪▪▪」
だから!!
この
がっつり腕を腰に回されて動けないの!!
「眠い▪▪▪。」
そう言って私のお腹に顔を埋めて寝そうになっている。
『うん、だからベッドでね。』
私が運べればいいんだけど
「っと。」
『!』
だから、なんで
『自分でっていつも▪▪▪!』
「早く寝よう▪▪▪。」
いつもお姫様抱っこで運ばれるの!?
リビングで寝ている蛍を起こすと大抵なぜか私が運ばれて、そのまま抱き枕のようになって動けず、そのまま一緒に朝まで寝るのです。
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作者名:月宮 柚妃 | 作成日時:2021年8月11日 20時