[急募]私にチート力を【鬼滅の刃】

其の弐拾伍 ページ26

やばいやばいやばい。



リタイアできないとか聞いてないんですけど！！！！！！！いやね、別にはじめっからリタイアする気は無いよ。ただ、マジでやばそうだったら抜けることもできるのかなーなんて、甘いことを考えていましたすいません。





滅茶苦茶怖いんだけど。つーか、一週間野宿ってことでしょ？あれ、私生きていけない自信しかない。




どうすっかなー。



少女たちがいた広場を離れ、山の中へ入る。歩くにつれてどんどん藤の花の香りが薄くなっていく。なんて心細いんだ、こんなにも花の匂いを嗅いでいたいと思ったことはない。





ぼんやりと歩いていると、目の前に全身黄色の男の子が座っているのを見つけた。あの子めっちゃ怖がってた子じゃん、何故か既に汚れている。

一人でいるより二人でいるほうが絶っっ対心強いので、私はその男の子に話しかけた。




『ねぇ』






「ぎゃああああああああああああああああああああ！！」









え？


『え、ちょっと待って待って待って』


「どうせ俺死ぬんだ、鬼なんか倒せないよおおおおおお！！！」



情緒不安定かこいつ。


『急にどうしたの、大丈夫だよそんな死ぬことないよ』



「ええええええ君可愛いねぇぇぇぇぇ、なんて名前ええええ？俺きっとすぐ死んじゃうから、今すぐ結婚しよぉぉぉ、んで一緒に逃げよぉぉぉぉぉ」



『Aだよ、あと確かに私も逃げたいけどなんでお前と結婚することになってんの』


「だよねえええええ、一緒に逃げよぉぉぉぉぉ！」


『スルースキルすごいね君』


「Aちゃあぁぁぁぁぁぁあん！！！」




そう言ったかと思うと、急に抱きつき胸に顔をうずめようとする。


「うわっ、めっちゃやわらかい」
その男の子が呟く。






は？？？


『ふざけんなぁ！！！離せ変態野郎！！！』
そう叫び、相手をぐーで殴る。男の子は「ぐえっ」っと変な声をあげた。

ちょっと可哀そうだな、ぱーにしとけばよかった。


『あー、ごめんやり過ぎちゃった』


「全然大丈夫だよぉぉぉぉ、だから結婚してぇぇぇぇ！」





やっぱグーにしておいて良かったわ。

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