第15話_03 ページ39
「でも良かったな。外の魔物らが邪魔してくれて」
いきなり真剣な声色になってソルティーはそう言った。羽海は何のことか分からず首をかしげていた。
「魔物…強い風で攻撃してくる奴のことか」
「そうだ。あの魔物は俺が乗っていた奴なんだ。どうやってこの場所を嗅ぎ付けたのか不思議だがな」
「俺的には何で外に居る魔物がお前が乗ってきた魔物だって分かるのか不思議なんだがな」
「はは、なんて言ったって俺は魔族だからな」
そう言ってソルティーは胸を張ってどうだ！みたいな顔で言う。俺は少し呆れながらはいはい、と小さく相槌を打っておいた。そんなことは置いておいて、早くココから脱出することを考えなければいけない。魔物が起きたのだからこいつを担いでいく必要がなくなったおかげで早くココを脱出できるだろう。
「脱出するなら俺も全面的に協力してやるよ。お前らには助けてもらった恩があるからな」
「へぇ。魔族って意外と優しいんだな」
「ハツキさん。人を先入観だけで決めちゃいけないんですよ」
「そうだそうだ！！」
「そんなことより早く出て行くことを考えろよ！！」
半分やけくそに突っ込みを入れながら怒鳴る。羽海は少ししょんぼりしながら考える素振りを見せた。一方魔族は何考えているかわからない顔でにっこりと笑っている。まるで俺は考えるんじゃなくて戦闘専門ですよ、と言われている気分だ。まったく持って気に食わない。もういっその事ダッシュで駆け抜けていったほうが良いのではないか。とも思えてくるようになった。
「あ！もういっその事ダッシュで駆け抜けていくって言うのはどうですか？」
俺が頭の中で考えていた没策を羽海は名案とばかりに胸を張っていう。正直言うと少し呆れてたりもするんだが、まあ、俺もそれ以外策は思い浮かばなかったので心の中では同意している。
「お？それ良いんじゃないか？何も考えなくて済んで楽だし」
魔族も同意する。二人の視線はこちらへと向けられた。俺は何も言わずに少しため息をついただけだった。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
