第08話_02 ページ17
って何を考えているんだ？そんなこと考えたらだめだ。
俺は自分にそう言い聞かせて首を左右に激しく振る。
あ…頭がクラクラする。そう感じた時には遅かった。倒れそうになっていたのだ。地面に顔をぶつける前に俺は足に力を入れてその場で踏ん張りなんとか転けることは防いだ。
「…何やってるんですか」
少し呆れたような声が右の方から聞こえた。羽海が俺に対してそう言っているのだろう。本当に俺は何をやっているんだ…
そんなことを考えてもしょうがないので、体勢を直して羽海の方を見て笑う。
「あはは、本当に何やってんだろうな！自分でも分かんねぇや」
開き直ったようにそう言ってやった。言ってて少し悲しいと思ったことは秘密だ。
ふと、羽海を見るとどことなく悲しそうな表情をしながら、空を見上げていた。
「…羽海？どうか…したのか…？」
俺は思わず羽海に話しかけた。羽海はゆっくり、俺の方に視線を移した。
「昔のことを…思い出していました…」
羽海は少しかなしげな表情でそういった。なにか事情があるのだろう。俺の家の前で、倒れる前の時の記憶だろうか。こいつには、家族や、友達が居たんだろうか？いたのなら、羽海は無理やりそんなものを関係なく奪われ、俺の家の前で倒れていたことになる。起きてみたら、知らない人が目の前にいて、知らない場所に居る。考えてみるだけで恐ろしい。俺に家族は居ないが、兄弟同然に育ってきた親友がこの世界にいる。その人が奪われ、俺がなにも、知らない土地へ飛ばされたら…そう思うと、体が震えた。
「…昔…？…話してくれるならさ、その、昔の居た所のこと、教えてくれないか…？」
俺は勇気を振り絞ってそう言った。ずっと、聞いてはいけないと思っていたからだ。今なら聞ける。そう確信して聞いてみた。羽海は、表情を変えずにジッとこちらを見続けていた。
ちょ、照れる…
「良いですよ、別に減るものではないので」
羽海がそう言ってくれて、内心ホッとした。そんなことは顔に出さずに俺は近くにあった岩に腰をかけた。羽海は氷の椅子を作りそこに腰をかけていた。
そして、羽海が前居た居場所のことを少しづつ話してくれた。
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月緋鈴(プロフ) - 黒羽さん» あ、言われてみれば「注ぐ」ではなく「盛る」ですね。指摘ありがとうございます！ (2014年1月17日 18時) (
レス) id: ffd19b2f3d (このIDを非表示/違反報告)
黒羽(プロフ) - とても面白い作品を書いてくださり、ありがとうございます。とても面白かったです。まあ、強いて言ってしまいますと、ご飯は注ぐものではなく、盛るものという事だけでしょうか？これからも頑張って下さいね！ (2014年1月16日 18時) (レス) id: 8545d7a4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月燈 鈴 | 作成日時：2013年12月30日 20時
