シルシ ページ17
最後だから。諦めるから。
そういうと大ちゃんの抵抗は止まった。
「…その程度かよお前は」
「…」
何を言っているのかわからなかった。
その程度？どういうことだ？
「お前は俺のことをちゃんと好きでいてくれてるのかと思った」
「…好きだよ。ちゃんと大ちゃんのことが」
「…あぁ、好きなのかもしれないけど。…その程度なんだな」
大ちゃんの目が怖い。俺を軽蔑するような…そんな目。
「簡単に諦められる恋は本当の愛じゃない。お前のこと、…信じようと思ったけど」
上にいる俺を軽く押す大ちゃん。
俺の下からいとも簡単に抜け出した。
「帰る。明日からは話しかけてくんな。」
そういって鞄を持っていってしまった。
「まｯ、」
待って。そう言いたかったのだけれど声が掠れて声にならなかった。
待って。行かないで。
今大ちゃんを無くしたら俺は、
何に興味をもって、何を好きになればいいのだろう。
次の日＿
憂鬱な気持ちで教室に入った。
「い、伊野尾！」
大ちゃんをいじめていた頃の友達が俺の名を呼んだ。
そいつが話をする前に見た、見てしまった。
「だ、大ちゃ、」
メガネはいつも通りだ。だけど。
マスクまでして、きっと読んでなんかいない小説を見ていて。
俺の友人は言う。
「また、前みたいに下を向くようになった」と。
「伊野尾と仲良くなってから有岡、楽しそうに笑って前を見てたのに…。お前らなんかあった？」
「…ごめん…」
「な！？ど、どうした伊野尾！？」
友人はテンパった。その理由は俺の頬を伝う涙のせいかな。
「大ちゃん…大ちゃん、おはよう、」
涙を拭ってできる限りの笑顔で近づいて挨拶をした。
けど大ちゃんは見えていないかのように。
今までのことをなかったことにするかのように、俺を見ることも挨拶を返すこともしなかった。
「大ちゃ、」
「…来ないで、見ないで…」
戻ってしまった…
人を嫌う大ちゃんに、戻ってしまった。
俺に毒をはく大ちゃんはいなくなってしまった…
…あ、れ？
なんで。どうして…？
ﾁﾗｯと見えた赤いシルシ。
「大ちゃ…、これ…、」
俺は自分の首もとをトンと指でつついた。
大ちゃん、それはなに？
「ｯ！？」
大ちゃんはﾊﾞｯと首を隠した
大ちゃんは泣きそうな顔をしている。
「大ちゃん、」
「い、伊野尾くんには…関係ないです」
下を向いて言う大ちゃんにまた涙が出そうになった。
けど。
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AD0415(プロフ) - (名前)Moka(*???*)さん» コメントに気付かず、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。ありがとうございます！これからも頑張っていきます！ (2017年11月12日 22時) (
レス) id: 31f4aec87e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)Moka(*???*)(プロフ) - すごく面白いです！続きが気になりすぎてやばいです( 笑 )更新お願いします！頑張ってください！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: faa6097176 (このIDを非表示/違反報告)
AD0415(プロフ) - べーちゃんさん» 更新を楽しみにしててください！笑笑 (2017年10月8日 6時) (レス) id: 31f4aec87e (このIDを非表示/違反報告)
べーちゃん(プロフ) - 面白い？ちょっと切ない？物語です。大ちゃんの見ないでって気持ちもちょっとわかります。たまにね笑 伊野尾がこれから大ちゃんと仲良くなれるでしょう(´･ω･`;) 続きは気になります(*^_^*) (2017年10月7日 7時) (レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
AD0415(プロフ) - みーちゃむさん» わー！ありがとうございます！もっともっと頑張ります！ (2017年10月3日 6時) (レス) id: 31f4aec87e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AD0415 | 作成日時：2017年9月23日 23時
