お付きの人は沖田さん【沖田総悟】

episode5 ページ6

貴「はい、分かりました！」


沖「あ、今敬語使ったから罰ゲーム」



私を指差して楽しそうに言ってくる。


敬語は癖で辞めるのはなかなか難しい。



貴「敬語は癖なの……」


沖「それじゃ、とりあえず俺のことは総悟で」



片手を軽く挙げて少し前を歩く沖田さん。


男の人を呼び捨てなんてしたことないからなんだか緊張する……。



貴「そ、総悟……さん？くん？」


沖「なんで疑問系？」



私が言葉を返そうとしたら彼は突然何処かへ行ってしまって、姿が見えなくなってしまった。



貴「何処へ行ってしまったのかしら……」



1人そう呟いて道の真ん中で立ち止まりキョロキョロしていた。


こういう時、どうすれば良いのかしら？


すれ違う人達が私のことを不思議そうに見てくる。


困り果てていると、少し斜め前から聞き覚えのある声。



沖「Aさーん、団子でも食いやしょうや」


貴「沖田さん！そんな所にいらっしゃったのですねー」



彼は甘味処の外の椅子に座りお団子を食べていた。


私は周りの目も気にせずに大きな声で言葉を発してみた。


とても気持ちが良い。楽しい。



沖「まーた敬語使った」



私が彼の隣に行った途端に言われたのがその言葉。



貴「敬語を辞めるのと名前呼びはハードルが高いです！」



そんなことを言いながら沖田さんの隣に腰を掛ける。


彼がお団子を差し出してくれて、それを1本取りじっくりと見てみる。



貴「わ〜。甘味処、憧れだったんです。嬉しい」



今日は本当に楽しいことばかり。


沖田さんもなんだか掴みどころがなくって不思議な人。


この人となら楽しくお友達出来そうだ、って改めて思った。

episode6→←episode4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す