episode42 ページ44
私がそんな事を考えていると、総悟くんは不思議そうな顔をしながら先程の私の言葉に返事をした。
沖「俺に彼女?いるわけありやせん」
貴「絶対にいると思っていました。なんと言うかその、総悟くんとても素敵だし格好良いし……」
総悟くんの顔をチラチラ見ながらそう返事をした。
こういう時、どうすれば良いのかしら。
沖「でも、今日からはAが俺の彼女ですぜ」
私が1人でモジモジしていると頭に手を乗せながら、また恥ずかしい事を言ってくる。
貴「か、彼女……」
沖「なんでィ?満足出来ねぇってか?」
貴「いえ、そんな訳ではありません。ただ、何だか実感が無くって……」
本当に実感は無かった。
今目の前にいるこの人が私の事を好きで、私もその人のことが好き。
私はきっと初めて会った時から、彼の事が好きだったに違いない。
気が付かなかっただけで。
沖「ほら、そろそろ時間やべえでしょ?送って行ってやらァ」
ボーッとする私の手を取り立ち上がらせる。
いつの間にか陽は落ちていて、空は夕空と夜空が混ざりあった綺麗な色をしていた。
貴「総悟くん」
沖「ん?」
彼が襖に手を掛けるのとほぼ同時に名前を呼んだ。
貴「これからは、2人だけの時は恋人、ですよ?」
沖「今は、そうですねィ。でもいつか絶対にそんな隠れた関係じゃなくて、他の奴らにも認めさせてやらァ。今は無理な話ですけどねィ」
はっきりとは見えなかったけれど、彼の表情からは決意を感じ取ることが出来た。
貴「はい。必ず。私も頑張ります。立場なんて乗り越えてみせます」
沖「そりゃあ頼もしいや」
そう言って優しい笑みを浮かべた後に彼は私を引き寄せる。
沖「目、瞑って」
返事をするのも忘れ、目を閉じた瞬間、私の唇と彼の唇が一瞬だけ触れ合った。
ほんの一瞬だけども、優しくて、甘くて、それでいて何故か少しだけ、切なかった。
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アカネ(プロフ) - りりぽん♪さん» ニコルさん!お久しぶりです( ´ ▽ ` )ノこちらの作品は完結しましたが、掛け持ちの方を頑張っていこうと思います!ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年2月28日 10時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
りりぽん♪ - (元ニコルです)面白かったです!(*´▽`*)/会話の雰囲気とかまんま銀魂で流石アカネさんだな~と思いました!(笑)これからも頑張ってください! (2016年2月28日 0時) (レス) id: bd5f2bd347 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - お豆腐さん» コメントありがとうございます!ファンだなんて、、!嬉しすぎます(((o(*゚▽゚*)o)))楽しんでいただけてよかったです!これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2016年2月11日 21時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - リズさん» コメントありがとうございます!そんな風に言っていただけるととても嬉しいです!最後まで読んで下さり本当にありがとうございました! (2016年2月11日 20時) (レス) id: 7124c7ef55 (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐 - 最後の最後までよかったです!!ファン第1号としてこの作品読めて本当に楽しかったです!!素敵な作品ありがとうございました!!!次また作品作るときは必ず見ます!!( ^∀^) (2016年2月11日 13時) (レス) id: fa094e41b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカネ | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/putisannpuru/
作成日時:2015年12月8日 22時