お付きの人は沖田さん【沖田総悟】

episode34 ページ36

土「総悟の奴、今日は非番なんだ。呼んでくるからとりあえず待っていてもらえるか？」



客間に通され、お茶を私の前に置くとそう言う土方さん。



貴「はい、お手数お掛けします」



私の返事を聞くと足早に部屋を出ていく彼。


総悟くん非番みたいだけれども、折角のお休みなのに悪いことをしてしまったかしら……。


私なんて年中お休みのようなものなのに。

もちろん、私だって何もしないで毎日そよとお話をしているわけではありません。

国の行事に出席したり、兄上様のお仕事を手伝ったり、実は色々としているのです。


そんなことを考えていると、ふいに襖が軽くノックされた。



貴「どうぞ」



私の声とほぼ同時に開いたそこからは、私が会いたくて仕方が無かった人が入ってきた。



貴「総悟くん！お久しぶりです」


沖「待たせたねィ」



いつも通りのどこかやる気のないような声でそう言いながら私の前に来て、腰を掛ける。


私はそこでいつもとは違うある事に気が付いた。

いや、本来ならば彼の姿を見て直ぐに気が付くはずだ。



貴「腕、どうされたのですか……？」



そう、彼は腕を怪我していた。

頑丈に巻かれた包帯がとても痛々しくて……。


けれども総悟くんは私の心配など知らないような顔をしながら答える。



沖「あぁ、これね。2日くらい前にちょいと暴れ過ぎちまった」



少し自虐的な笑みを浮かべながら答えるその姿が1番、痛かった。

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