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十六話 少女 ページ17

数刻前に日は沈み田舎の道には街灯が無く月明かりを頼りに人気のない田んぼ道を一人歩いていた
すると視線の向こうに小さな黄色い灯りがぽつんと漂いゆらゆらと揺れていた。殺風景なこの場所に何とも異様である

何だろうと不思議に思いながら近づくと薄汚れた着物を着た小柄な少女一人とその場に似つかわしく無い小綺麗な着物を着た女がこれも似つかわしく無い黄色い灯りの正体、提灯を片手に持ちもう片方の手は少女の手を握って歩いていた

親子だろうか…それにしては異質で雰囲気の寒暖差があるようにも見える

少女の顔をじっと見ると目がある部分を包帯でぐるぐると巻かれていてうっすら血が滲んでいた
やはり可笑しい。少女は覚束無い足取りで転ばないように必死に歩く。女は少女の手を握ってはいるが少女を気付かっている様子はなくただ少女を引いているだけだった

すれ違ってからも俺は歩く速度を緩め後ろを振り返りその二人を眺めた。その時、気付いた

鬼独特のあの気配。少女に夢中で気付かなかったがあの女は鬼だった
俺は人よりも数倍気配に優れている
人間の気配は騒々しく落ち着きがない。しかし鬼は死人の様に冷たく静かな気配だ

俺はどうしようかと頭を捻った
明らかにあの少女は鬼に捕われた人間。放っておけば喰われて死ぬだろう
しかしそれがなんだと言うのだ。俺には関係ない事
最終選別を経て正式な鬼殺隊員にはなったがまだ命を授かってはいない

悩んだ末、俺は放っておく事にした。




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田んぼ道を抜け少し歩くと賑やかな商店街が姿を見せた
腹の虫が鳴り何処かに宿は無いかと探せば街の外れにそれなりに綺麗な宿を見つけた。黒死牟が最後にAに持たせた、一月は凌ぐことの出来る量の金はある
迷わずその宿に足を入れた

宿主の老婆に部屋は空いているかと尋ねれば今は俺含め2人しか宿泊してないのこと。華やかな街のくせに珍しい

この宿には温泉があり、今まで川や水で、備え付けの小さい風呂でしか体を洗ったことが無い俺は少し胸を高鳴らせながら着ている服を脱ぎ戸を開けた



「あっ」



既に誰か人がいて自分しか宿にいないと思っていたのか白髪の髪をした大柄の男は驚いた声を上げた

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設定タグ:鬼滅の刃 , 黒死牟 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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あんこ(プロフ) - あ、あの…ホームページの方を今読んできたのですが…占ツクのも、そちらの方も、尊くて死にそうになりました…今回の占ツクの方の更新すごく嬉しかったです。更新、無理せず頑張ってください! (2019年11月6日 1時) (レス) id: c12f380ffd (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音__腐__低浮上さん» ありがとうございます!!! (2019年11月5日 18時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
非常食の玲音__腐__低浮上 - やっぱりいいですね、、、この小説()とても好きです(白目) (2019年10月24日 21時) (レス) id: 8d59e0f155 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - にゃさん» わざわざホームページから飛んできて下さり感謝です!こちらではホームページとは内容が違いますのでこちらもホームページの方も楽しんで頂けたら幸いです♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音さん» ありがとうございます♪♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:聡舍 | 作成日時:2019年8月15日 16時

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