7話 ページ7
＿＿＿＿＿＿
どうか消えない日々を、これからも送らせてください。
2年前の事故で、いつ記憶が無くなるか分からなくなってから、
俺は人との思い出
誰かと過ごした、大切な一分一秒を、俺だけが忘れてしまうのが、
俺の中から、大切な人の存在を消すことが、怖くなった。
でも、そんな俺に手を差し伸べてくれた貴方は、
「忘れても、俺が思い出させたる」って
言ってくれたんだ。
根拠なんて、どこにもない言葉。
貴方がいるから、俺が記憶を取り戻せるなんて保証は、どこにもない。
一瞬だけ、馬鹿らしいと思った。
そんな叶うかも分からないことを、俺に言う貴方を。
でも、それでも。
そんなことを言ってくれたのは、貴方が初めてだったから。
俺を救ってくれた貴方に、託してみようと思えたんだ。
「ありがとうございます、"＿＿＿＿さん"」
ありがとう、ありがとう。本当に。
こんな薄っぺらい言葉では、一生をかけても返しきれないだろうけど、
絶対に、返しきってみせるから。
だから
この気持ちは、やっぱり忘れたくない。
貴方がいるからって、忘れることへの恐怖は減る訳もなく。
その恐怖は日に日に強まっている。
これからも送っていけるであろう、煌煌
俺は余さず覚えていたい。
そして、いつか、
俺の過ごして来た日々を、貴方に教えたい。
なにを思ってあんたを見ていたか、
俺の感情を言って、それを貴方が聞いている。
そんな一日が、訪れますように。
ーどうか消えない日々を、これからも送らせてください
毎日を余さず覚えていたい
僕の過ごした日々を、君が聞いている、
そんな一日が訪れますように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月詠 | 作成日時：2023年5月30日 20時
