作り笑いが５ ページ7
Aside
次の日の朝。そろそろ見習いの方が来る時間になった。一応昨日の夜に見習いの方の資料は頂いた。
名前は志緒。
審神者としての霊力はとても高いがそれをまだ操ることが出来ないために見習いを行う、というのが建前となっていた。
写真を見てとても可愛らしい女の子である。
ちやほやされて育っていそうな見習いさん。私とは正反対のようにも感じた。
ドロン、とこんのすけが出てきた。
こんのすけ｢審神者様、ただいま見習い様がご到着致しました｣
｢そうですか、では玄関に行きましょうか｣
急に現れたこんのすけに驚きはしたがそれは顔に出さずにっこりと笑う。
自室の窓を閉めて玄関の方に向かって行った。
そこに立っていた少女はこちらに気づいてにこやかに笑う。作り笑いでは無い純粋なその笑顔にズキズキと胸が痛い。
志緒｢初めまして！本日よりこの本丸で見習いをさせていただきます！志緒と申します！分からないこともありますがご迷惑ならないよう努めてまいります！！よろしくお願いします！｣
頭を彼女は下げ笑った。
｢こちらこそよろしくお願い致します、審神者のAです｣
またキラキラした目で笑った彼女。
なにもかもが純粋で、綺麗な霊力を持つ少女。まさに審神者としてはとても優秀な完璧な少女。天才、というものなのだろう。
とても嫌気がさして苦手なタイプだ。
｢自室に案内致します、荷物があらかた終わりましたら私の部屋に来てください｣
志緒｢はい！｣
大きな返事を彼女はした。
部屋は刀剣男士から近いところにした。元々は刀剣男士のために作った部屋なのだが、全刀剣男士がいるこの本丸ではもう使うことがほとんどないところである。
昨日掃除はしたが埃っぽい気もする。
｢昨日掃除はしたのですが、まだ埃っぽいですね｣
志緒｢いいえ！気になりません！お気遣いありがとうございます！｣
｢荷物の整理が終わりましたら先ほど申したようにお願い致します、布団はこちらに入っていますので、こんのすけ｣
ドロン、と出てきたこんのすけにキラキラした瞳を向ける見習い。どうやらこんのすけは初めて見るらしい。
｢見習い様を私の部屋に案内して下さい、荷物の整理が終えましたら｣
こんのすけ｢わかりました、審神者様｣
｢では私はこれで失礼致します｣
志緒｢はい！ありがとうございます！！またお伺い致します！｣
その言葉を聞いてニコリと私は笑い、部屋を出ていった。
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作者名：一ノ瀬ミルク | 作成日時：2022年9月18日 0時
