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今までの君との時間が


全ての記憶が無駄なものに思えた瞬間だった




好かれるための努力も、「ある程度」はしていたし、無理やり視界に入ったり、ウザがられない程度に話しかけたり



どこまでも阿呆な自分には、こんなことしか出来なかったんだ。




話しかけて貰えなくても、無視されても、悲しくはなかったし、寂しくもなかった



君の隣にいられることが、君と同じ時間を生きていることが、何よりも嬉しい事だったから




そんな考えが、一気にぶち壊された瞬間が、昨日の帰り道あった



「あんずお姉様と帰れて嬉しいです♪」


「私もだよ」



プロデュース科の先輩、あんずさん。あの方と朱桜司が話していても、それは仕事の付き合いだと思っていたし、あんずさんはいい人だから近くにいたいのもわかる



「私、朱桜くんのこと、好きなんだよね」



聞いてびっくり。あんずさんがそんなことを朱桜司に言ったのです。どんな意味合いで言ったのかはわかりませんが、朱桜司だって驚いていた



「…私も、あんずお姉様が大好きです♪貴方の事は一生守り抜いてみせます♪あなたの騎士として」



自分の勘違いだよ、いまでも思う。だって決定してない。付き合うとか言ってない。両想いってだけでこれからともに青春をすごすとは限らない



そんなことはわかっていずとも、自然と涙が溢れてしまった




家に帰っても手放せない子のモヤモヤと胸で渦巻くこの感情をなんて呼べばいいのかわからなかった



君と交わす何気ない会話も、君と過ごす時間も


どんな時もどんな瞬間もいつまでも君を愛すと



心に誓ったのに




考えれば、いつだって思わせぶりな態度ばかり。あいつは別にうちを好きなわけじゃないし、




どうせならもう




君が最低な言葉で壊してよ














『いっつもいっつも…もういいから。話しかけてこないでよ!期待させないで!』

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作者名:レモンティー | 作成日時:2021年3月22日 23時

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