【REBORN!】私が消える7回目 third ～骸成り代わり～ (ページ6)

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早歩きで周りをうかがいながら、さっきの窓の下のところまで行く。
大丈夫。まだ誰にも私の姿を見られていない。

『フラン！』

屋根の影に、ポツリと立っていた。スーツを着ている。やっぱりボンゴレに保護されていたのか。

『……フラン？』

呼びかけても返事はない。
こんな近くで呼んでいるのに、どこか違う方をぼーっと見つめていた。

変だな……
こんな雰囲気の子ではなかったのに、何かあったのだろうか。
おとなしいフランに、違和感を覚えながら、それでも呼びかけようと手を伸ばした。

『！？』

が、微笑まれた。

私は伸ばした手を思わず引っ込める。
彼が急に笑顔を向けたからだ。

『えっと……』

やっぱりどこかおかしい。
突然笑いかけるなんて、彼がするはずない。
私は思い切って言おうとした、そのことを。

『あ！！』

しかしその瞬間、少年はその場を駆け出した。
私は一瞬迷ったけれど、一旦その質問は胸にとどめ、少年の背中を追いかけることにした。

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そして追いかけてから数分後。

『はぁっ……はぁ……』

小さい道や大きい道を滑るように難なく通る少年に対して、私はヒーヒー言いながらやっとのことで追いついた。

彼が今足を止めて立っているのは、ボンゴレ邸から出て少し遠くに離れてある下町。それもパン屋の前だった。

『こ、ここは……？』

問いかけても、答えてくれることはなかった。もちろん私の方を見向きもしてくれない。

私はもう聞くのは諦めて、周りをよく見渡した。

なんだかちょっとだけ見覚えがある。
そういえば、ここは私がランチアに出会った町の近くだった。どうりで見覚えがあるわけだ。

『懐かしい……』

それをきっかけに、あの頃の日々を思い出す。
あの頃は……地獄だった。実験所に比べればまだいいけれど、苦痛には変わらない。

特にお腹なんて四六時中すいてたから、犬と千種とよく空想の料理で気を紛らわせてた。犬に関しては骨しか想像してなかったみたいだけど。それでも、あの頃はなんとかやっていけた。

『……』

するとそんなことを思い出したので、ふと2人の行方が気になった。

たしかボスが保護してくれているはずだが……。具体的になにをしているんだろう。気になって首をかしげた。

その時だ。足音が聞こえ、とっさに隠れる。
そしてその音の主はそのパン屋に入っていった。

『おい！頼まれてたもの、買ってきたびょん！』

聞き慣れた声に耳を疑った。