【REBORN!】私が消える7回目 third ～骸成り代わり～ (ページ46)

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そして残念ながら、その不安は最悪な形で、現実になった。

『あのー……』

ノックを3回、その後顔だけをのぞかせるように、横引きのドアを開けた。
そこで初めて気づく。

目の前に男が立っていることに。
背の高い青年が、開けたドアの前にいる。
どうして？と思う。言いかけた。

直後、私の頭に、ばちばちと音が鳴る。

それからじいんと響く、鈍い痛みが脇腹に広がった。頭はまだ星を飛ばし、空に楕円を描いている。
私の体はさっきの場所とは程遠い、教室の壁際にあった。

『あっれー、バイトの女じゃないな』

頭をかく男は、壁にへたり込んでいる私を見て呟く。

ようやく、自分が蹴飛ばされた、ということが分かった。
しかし気付いたとこで、また同じように「なぜ？」と思うしかなかった。私はなぜけられた？

『うへ！ズッコ！見てみろよこれー！コイツ目がおかしいぞ！！』

戸惑う私はよそに、男は私をまじまじ見て、失礼なことに指をさす。
ズッコと呼ばれた方に目を移せば、下品に口角を上げる男と目が合う。コイツがズッコ、らしい。

ズッコと呼ばれた男は周りにいた2、3人の取り巻きより一歩前へ出た。もちろん6歳には見えない。
むしろシルエットは豚を思わせる。

『よう新入り、気持ち悪いナリしてるなぁ』

尻餅をつく私に、余裕の態度だ。
それはこの豚だけではない。この教室にいる子供全てにも言えることだった。

完全に壁際で、野次馬に囲まれる。

『ろ、六道骸です、7歳です。2週間の仮入学でお世話になります』

よくこの状況で、と自分でも思うが、私の頭は混乱していた。同時に心のどこかで何か崩れる音がする。それは間違いなく、さっきまで私が作っていたイメージだった。

『お世話するかよ、きったねぇな！』
『ていうか仮入学て何？』
『しらねーよ、どうせすぐいなくなるだろ』
『バイトが余計な事したのか？』
『それにしても気色悪い目だな』

見た目について言われると、さすがに腹も立つ。
そのほかにも私を囲む野次馬はデカイ態度に乗じて言いたい放題だ。

『いいか、骸ぉ、オレはズッコだ。これから仲良くしようなぁ？』

近くで見ると顔もよく豚に似ている。
ニキビの目立つ団子鼻は、脂で光を放っていた。

『これは、挨拶だ！！』

『うがッッ！！』

重い蹴りが、また私の腹に入った。体がくの字に曲がり、吐き気が襲う。

その豚が蹴ったのを皮切りに、囲んだ足が私の体めがけて振り上げられた。信じられない話、先生が来るまで続いた。