【REBORN!】私が消える7回目 third ～骸成り代わり～ (ページ45)

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インザルト【insult】①侮辱的言動，愚弄ページ45

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「ふぁ～～～…」

頬を照らす陽気に誘われて、今日何度目かのあくびをこぼす。
眠れなかった？と先生に聞かれたので、楽しみだったから！と子供らしく答えておいた。

昨日の考え事が、結局収まりがつかず朝に至った。
幸い、服も食べ物も教材も、全部用意された環境だったから、慌てることはなかった。

しかも嬉しいことに、用意された服は全て、ズボンとTシャツ。男の子のような服に私は感動した。ランチアといたころはワンピースしか着れなくて、うんざりしていたからだ。

『もうすぐ着くからね』

歩いている廊下の突き当たりが、今日から私がお世話になる教室らしい。
着くまでにずいぶんの間があるので、学校のシステムを十分説明してもらえた。

イタリアの学校は面白いことに、大半の子は午後の授業がない。たまに授業がある人もいるが、めったにいないという。
午前中に勉強を済ませて、午後はみんな、サッカーや各々好きなことに勤しむみたいだ。

また、この学校は小学校から高校が合併しているマンモス校。
学校制度は、小学校5学年(6歳～10歳)、中学校3学年(11歳～13歳)、高校5学年(14歳～18歳)となっている。

私は7歳ということだから、向かう教室は、小学2年生のクラスということだ。
小学校2年生といえば、日本だとまだまだ子供の可愛いクラス。
スクアーロとザンザスの大袈裟な話に少し気構えていたが、考えてみればそんなはずない。
7歳なんてまだ可愛い年頃だろう。
自分の昔の小学校を思い出しても、和気あいあいとしていた。

スクアーロのあれはおおむね、からかうために言ってた脅しなんだ
と、私は納得していた。
その教室に入るまでは。

『じゃ、入ったら名前と歳を言ってね』

『え？』
先に入らないの？
とは、口に出さなかった。そういうイタリアの文化だと思ってしまったのだ。

『分かりました』

『それじゃあ私はここまでだから、』

『へ？』
また目を張ってしまった。どういう意味だろう。
まさか、貴女は先生じゃないの？

『まさか貴女は先生じゃないの？』

『私はバイトよ』

思わず口に出した問いに、その女性はケロリとしている。『当たり前でしょう』そう目が言った。

『とにかく、はやく入りなさい。もうすぐ先生が来るから』

『は、はい』

うまく状況が飲み込めないまま、背中を押された。
この時すでに、おかしな事を察してはいた。
スクアーロの会話がまた、不安の雲になって心に影を作る。