【REBORN!】私が消える7回目 third ～骸成り代わり～ (ページ35)

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『まさか、本気で言うつもりじゃありませんよね？』

『まずいか』

『本当に、姉のクッキーで人が死ぬなら、その男の子はもう死んでます』

『いや、そうとうタフかもしれないぞ。
それか、不死身か』

『それこそ1番ありえない』

断言すると同時に、骸が玄関の扉を開いた。
しかし心のどこかで、そうだろう、と確信もしていた。
雑誌でも、パーティーでも、何故か骸には心あたりがあったからだ。それよりもっと昔に見覚えがあった。

しかしそれが何のか、考える間も無く、迎えの顔が目に入って、もう気は移ってしまった。

『遅いです』

玄関前で立つ、スクアーロに言った。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『遅いです』

ずいぶん低い声で言われ、スクアーロはぎょっとした。年下に、これほど正面から、睨まれたのは初めてだ。

黒長の外車で骸のファミリーのアジトへ着いたのは、ついさっき。
午前中にボンゴレ邸を出て、12時には着く予定ではあった。急な付き添いが増えなけば。

『う"お"お"おぉい……文句言ってんじゃねぇぞ、ガキィ。時間通りだろォが』

『ガキじゃありません、骸です。早く行きましょう』

遅刻を誤魔化すためか、年上のプライドからか、スクアーロもまた睨み返すが、骸にそれはかわされた。

骸はスクアーロの横を抜けて進む。
後ろ姿はほぼリュックだった。

『お前欲張りすぎじゃねーか』

『あ、ち、ちょっと』

リュックを持ち上げれば、骸も足が浮いていた。

『おろ、おろして』

『こんなに荷物いらねぇだろぉ"。とりあえず半分以上置いてこい』

リュックはズシリと重さがあったが、当の骸は思いの外軽かった。足をバタバタするが、その抵抗もむなしく、ただ可愛いらしい。アヒルの水かきを連想させて、頬は自然と緩む。
『やっぱガキはガキかぁ"』

それにしても荷物が重い。
一体何が入ってんだぁ、と目で探っていた。

『スクアーロおろしてやってくれ！』

ランチアの声に振り向く。
面倒くさいのが来たな、と少しうんざりする。

だが、姿を目にした途端、またも目を丸くした。

『う"お"お"おぉぉい！！どんだけ荷物持ってくんだぁ"あ！？』

ランチアの肩にかかった荷物。
それは今持ち上げているリュックの2倍はあった。