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結局ザンザスの意外な言葉に従って食事をいただいた。しかしそれは残飯とは言うには程遠い、美味しい品ばかりだった。
『あの、ありがとうございます』
口の周りを拭きながら、ザンザスに言った。
『………』
背中を向けられた。
私と会話する気はないらしい。仕方ないのでスクアーロの方を向く。
『ありがとうございます』
『………』
スクアーロも何も答えないので、気まずい沈黙が訪れる。
『………説明しろォ』
『え』
『どうしてこうなったか、説明しろォ』
『は、はい！』
ため息に言われて、言葉を選びながら慎重にここまでの経緯を説明してみた。
その間二人は黙ったまま聞いてくれた。理解してもらえたか、どうかは別として。
『………と、以上がここまでの出来事です』
そう言い終えると、ザンザスが立ち上がった。
『つまり、家出か』
『………』
あっけなくまとめられてしまった。それが少し悔しくて私は何も言わずに、ザンザスを睨んだ。
しかし鼻で笑われた。
『ハッ………お前もガキだな』
『………ガキで悪かったですね』
『………』
ザンザスはそれに何も答えてくれなかった。
代わりに私の頭に手を置いた。
『え……』
その行為が意外すぎて、驚いた。
そしてどこかその手がランチアを連想させたので、なんか恥ずかしくて下を向いた。
すると、それを見ていたスクアーロが口を開いた。
『う"お"お"おい。結局コイツはこれからどーするだァ、ザンザス』
『………ここに置く』
『！！』
『ただし、ジジィにバレねぇようにな』
ニヤリと笑うザンザス。それを見てため息をこぼすスクアーロ。一方私はたちまち目が輝いたのが自分でも分かるぐらい満面の笑みになった。
『ありがとうございます！！！』
こうして、私は一時的にボンゴレの屋敷に置いてもらえることになった。
しかし喜びも束の間。
とても面倒なことがこれから起きようとは、誰も予想していなかった。
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作者名：杞憂 | 作成日時：2015年8月20日 22時
