黒服の秘密のお仕事

5 ページ5

20時45分

先生方の挨拶は終わり

21時30分が終了時間になる

『ｼﾞｯ)…ゆう、タクシー二台到着』
「了解。誘導お願いします」

さてさて
一足先に五人のお帰りの時間です

最後まで居ると21時30分どころか
話しかけられて帰れなくなるからね

マネージャーさんがいない時は
終了時間より前に帰宅なさいます



会場を確認して
出口のドアから遠い順に
「事務所の方が到着されました」
と五人を回収していく


一人増える毎に
楽しそうに遊びながら歩いてる

…本当に仲良しなんだな…



ドアを開けて五人を通して
足早に五人の前に戻り誘導する

エレベーターの前で待ってる誘導係のボーイへと変わる時に



「…俺、食べすぎたから階段で降りるわ……三階やし」

と平野紫耀様が言った

「おぅ、下でな」

エレベーター前で待つ四人
階段へと歩く平野紫耀様


ぇえ〜…も〜…


エレベーターはボーイが付いてる
一人で平野紫耀様を帰す訳にはいかない

芸能人がゆえの
無いとは言えない万が一がある
タクシーまでの安全がホテルの仕事だ


四人に一礼してから平野紫耀様を追いかけ


追い抜く時に


ふっと笑われる



一人で居たいのかもしれませんけどね
一人にしなくてすみませんね

一般人なら階段前までのお見送りでいいのに


政界人と芸能人は本当に気を使う

政界人はまだいい
重要人物にはSPがついてるし

エレベーターは絶対だ
階段使う時は予めボーイに連絡がいっている

何かあればSPの責任だ


芸能人もマネージャーが着いてる人は
ボーイとマネージャーが別れて誘導できるので、階段はマネージャーに任せてフロアからお見送りできる




平野紫耀様は
階段を使うことが多い


必然的に私も階段を降りることになる
三階分


…階段くらい
運動不足でも降りれますよ


階段を降りた所で

「平野さん、着いてきてくれてありがとう」

と声がかかる

心臓のドキドキは階段を降りたせいだ


身体を半身後ろへ向けて

「いいえ、食べすぎでタクシーは辛いですからね」

というと
軽く笑っていた


ドアの外でタクシーの乗り込んでる四人に追いつき



「気を付けてお帰り下さい。またのお越しをお待ちしております」



車が曲がるまで

頭を下げて見送る






さて
後は会場へと戻り
進行と酔っぱらいのケアだ

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す