72 ページ22
.
『 …北山さん?起きて下さい 』
数ヶ月ぶりに北山さんに触れる。
お酒のせいでいつもより熱い身体を揺すった。
「 …ん、A?」
『 そうですよ…帰りましょ?』
「 Aだあ、」
私に力無く抱きつく北山さんは、
付き合ってた頃と同じように接してくる。
お酒って怖いなあ…。
「 ふふ、帰ろっ 」
満足そうに笑ったみっくん。
…その笑顔、何ヶ月ぶりだろうか。
私だけに向けられている笑顔。
大好きな笑顔。
『 …ん、帰りましょう 』
お酒のおかげで向けられている笑顔だとしても、
今の私は本当に嬉しくて。
…ずっと続けばいいのに。
そんな甘い期待を持ち始めてしまう。
きっと藤ヶ谷さんはそれが分かった上で、
あえて記憶の事には触れずに、
私にどうするのか決めなねって遠回しに
伝えてくれていたのかなって思う。
勝手な解釈かもしれないけど、
優しい藤ヶ谷さんは
最後まで私に任せてくれている気がする。
…いや、北山を頼みます。のあの表情。
北山を"これからも"頼みます、
そう言われている気もした。
いい解釈…し過ぎか、な?
私だって…このままずっと隣で笑っていたい。
…でも、藍華さんが居るから、ね?
望んでも、叶わない。
そうでしょ…?藤ヶ谷さん。
…違うんだったら、教えてよ、みっくん。
また溢れそうな涙を必死に抑え、
フラフラなみっくんとタクシーに乗り込んだ。
.
.
.
.
『 はい、お水です 』
みっくんの家に着き、ソファに座らせて水を渡す。
渡せば嬉しそうにありがとうって。
久しぶりに来たこの家は何も変わっていなかった。
…時が止まったみたいに。
私が使ってたコップも、タオルも、歯ブラシも。
何も変わらず置いてある。
…みっくん、どうして?
藍華さんは…あなたの彼女じゃない、の?
お水を飲んだみっくんは、
Aおいで〜〜ってソファを叩く。
『 …北山さん、もう夜遅いので「 …帰るの?」
お酒のせいで潤んだ瞳が私を下から見つめてくる。
…私だって、隣に座りたい。
でも…いいの、かな?
みっくんの隣は…私が座っても、いいのかな?
「 …帰らないよね?」
少し低くなった声で言ったみっくんは、
私の手を無理やり引いた。
.
1028人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月下香(プロフ) - clubwonderさん» コメントありがとうございます(^^) 最後は少し自分の中でも駆け足になってしまったかな、と思いましたが…完結できて良かったです!番外編書いた時には是非読んでくださると嬉しいです。 (2018年8月16日 5時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
clubwonder(プロフ) - 完結?お疲れ様です!ただ終わってしまったー…という寂しさが。番外編楽しみです!! (2018年8月16日 4時) (レス) id: 697db724dd (このIDを非表示/違反報告)
月下香(プロフ) - cherryさん» 頑張ります!ありがとう(^^) (2018年8月15日 23時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
cherry - 月下香さん» ありがとうございます!じゃ、今からタメにしまーす(笑)。更新頑張ってね!応援してるよん! (2018年8月12日 21時) (レス) id: 2a489f585b (このIDを非表示/違反報告)
月下香(プロフ) - cherryさん» cherryさん、コメントありがとうございます(^ ^)大好きって言ってもらえて光栄です!タメ口のお話、覚えていますよ!是非宜しくお願いしますっ (2018年8月12日 14時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月下香 | 作成日時:2018年8月1日 18時