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『 ありがとうございました 』
「 ううん、気にしないで。
…てか、敬語やめて?
Aの記憶があった時は、俺にタメ口だったし 」
『 あ…そうなんですね…。
慣れるように、頑張ります 』
「 …ん、じゃあ、俺仕事行くわ 」
またねって手を振って、
北山さんは車へ戻ってしまった。
何でいつもあんなに悲しそうな顔をするんだろう。
…私のせい?
心に変なモヤがかかる。
記憶を無くしたから、周りとのズレはしょうがない
ってお医者さんに言われたけど…
それとは違う何かが私の中にあるような気がする。
『 ただいま〜 』
誰もいない部屋に向かって、挨拶。
…私の部屋、記憶とそんなに違わないや。
『 …色々確認してみよっかな 』
棚や引き出しの中、本棚を探る。
知らないものは結構あったけど、
私が買っててもおかしくない物ばかりで
特に違和感は無い。
でも1つだけ不思議に思ったのは、
何故か男の人のスウェットがあった事。
…誰の?
翔のは全て処分したし…
香りは私の家の柔軟剤っぽいけど、
どこかまた懐かしい匂いがする。
…この2年間、私に何があったのだろう。
やっぱり、思い出した方が良い…?
でも考えようとすると頭が痛くなる。
頭痛がしたら飲むように言われた薬を飲むと、
思い出そうとする意欲が失せてしまう。
無理に思い出すのはダメって…
でも無理に思い出さないと、
思い出せない気がする。
…どうしよう。
このまま思い出せなかったら、
それはそれで良いのかもしれない。
けどずっと曖昧な気持ちを抱えて
これから生きてくのも嫌だな…
考えれば考えるほど、混乱していく頭の中。
強いストレスは、そんなに私を追い詰めていたの?
『 …分かんないよお 』
ベッドに倒れこむと、
そのまま意識を失うように寝てしまった。
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やっとこの生活に慣れてきた頃、
北山さんが私のお家に遊びに来た。
「 ごめんね、俺だけになっちゃって 」
『 いえ… 』
そう、未來も来るはずだったのに。
急に仕事が入った!って。
未來は、私と北山さんを
くっつけようとしてる?…なんてね。
たまたまよね。
北山さんは私の家に来るのは慣れているのか、
ソファに座ってテレビを見始めた。
「 …あ、Aさ、俺の仕事知ってる?」
『 いや、知りません 』
そう…って言う彼は少し安心しているようだった。
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月下香(プロフ) - clubwonderさん» コメントありがとうございます(^^) 最後は少し自分の中でも駆け足になってしまったかな、と思いましたが…完結できて良かったです!番外編書いた時には是非読んでくださると嬉しいです。 (2018年8月16日 5時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
clubwonder(プロフ) - 完結?お疲れ様です!ただ終わってしまったー…という寂しさが。番外編楽しみです!! (2018年8月16日 4時) (レス) id: 697db724dd (このIDを非表示/違反報告)
月下香(プロフ) - cherryさん» 頑張ります!ありがとう(^^) (2018年8月15日 23時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
cherry - 月下香さん» ありがとうございます!じゃ、今からタメにしまーす(笑)。更新頑張ってね!応援してるよん! (2018年8月12日 21時) (レス) id: 2a489f585b (このIDを非表示/違反報告)
月下香(プロフ) - cherryさん» cherryさん、コメントありがとうございます(^ ^)大好きって言ってもらえて光栄です!タメ口のお話、覚えていますよ!是非宜しくお願いしますっ (2018年8月12日 14時) (レス) id: d026112355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月下香 | 作成日時:2018年8月1日 18時