epicurien 01(兄) ページ6
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「あ・・・」
お風呂に入る時、鏡に映った自分の体。
所々にある赤い痕や歯形。
「またかぁ・・・あとで言わなきゃ」
腕にも胸元にもお腹にも。
太腿やお尻、至る所にある。
私の彼はちょっと変わってる。
痕をつけるのはまだいいとして、その数。
それに噛み癖。
おかげで私は水着も切れないし
温泉にも入れない。
「ねぇ、兄者さん」
「ん?」
お風呂からあがった私は
ソファに座っている兄者さんの横に座って抗議。
「だからね、もう少し控えて・・・」
そう言おうとしたけど
突然抱き寄せられて私の抗議は一次中断。
「そんなこと言われてもしょうがないんだって」
「なにが?」
兄者さんは駄々をこねる子供みたいに
首元に顔を押し付けてくる。
「っ!ちょっと、ほらそうやってまた!」
チリッとした痛みが首に走る。
どうせまた痕をつけたんだろう。
「なんかいい匂いするから」
「いい匂い?お風呂入ったからかな」
「いや、Aの匂い」
「私の?」
兄者さんはたまによくわからないことをいうけど
全然意味がわからない。
「Aおいしそうな匂いするからつい」
つい、って・・・
「もう・・・これじゃ海にもプールにも
温泉にも行けない・・・」
溜息をつきながら兄者さんの胸にもたれかかる。
その瞬間ふわりと香った匂いに、
なんだか兄者さんの言ったことが
わかったような気がした。
「・・・・・・」
何の気なしに、いつも兄者さんにされてるみたいに
首筋に顔を埋めて
軽く歯を立てて噛んでみる。
「うわっビックリしたー・・・」
「なんか兄者さんが言ってたことちょっとだけ
わかったかも」
そう言ってまた甘噛み。
「ふはっ!くすぐったいから止めてA」
なんだかいつもとは立場が逆転してるみたいで
ちょっと楽しいかも。
でもあんまりやりすぎると仕返しが怖いから
今日はこの辺で。
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時