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共感 01(弟) ページ49

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(はぁ・・・)


今日は一段と疲れた。

一日中気を張ってたせいで、
もう頭は回らないし体は重たいし。

重たい体を引きずるようにして家まで辿り着いた。




ガチャリとドアを開ければリビングから
元気な声が聞こえてくる。

「お帰りー」

リビングに入ればソファに座った弟者くんが
顔を上げて嬉しそうに笑みを浮かべる。


「ただいま、遅くなってごめんね。
ご飯作るから待ってて」


本当はご飯を作る体力どころか
ご飯を食べる体力すらないのかもしれない。

でもつまみ食いもせずに
私の帰りを待っててくれた弟者くんのためにも
なにか作らないと。


(えっと・・・・・・えー・・・と・・・)


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


だめだ。
冷蔵庫の中眺めてもなんにも浮かばない・・・。


「A、ずっと突っ立ったままだけど
どうかした?」

「ん?・・・ううん」

そんなに突っ立ってたかな・・・そっか・・・。





とりあえず何かを作ろうと野菜を取り出して
炒めて・・・

いつもより時間がかかったわりに
手の込んでいない料理がテーブルに並んだ。


「お待たせ、食べよっか」

「うん!めっちゃ美味しそうじゃん」

そうなの?・・・・・・よくわかんないや




「ごちそうさま、美味しかった。」

「よかった」

満足そうな表情の弟者くんにちょっと癒される。



洗い終えた食器を棚に戻した所で
ソファから名前を呼ばれた。


「どうしたの?」

「いいからいいから」

「・・・?」

されるがまま、私は弟者くんの膝の上に座る。
弟者くんは私の体を抱きしめて
甘えるように擦り寄ってきた。


まるで大きい子供だな

そんな風に思いながら頭を撫でてあげたら
弟者くんも同じように頭を撫でてくれた。


弟者くんの体温と香りに包まれていると
体が少し軽くなるような気がする。


「A、お疲れ様」

「え?」

「今日、すごい疲れてるんだろ?
代わりにご飯作ったり食器洗ったりしようかって
聞こうと思ったけど、Aのことだから
大丈夫って言うと思ってさ。
だから、今お礼も兼ねて
甘やかしてあげようかなって」

少し申し訳なさそうに笑みを浮かべた弟者くん。

彼は甘え下手な私の性格を本当によく
理解してくれている。

自分からなかなか甘えられないことも、
弟者くんがこうやって甘えてくることで
私が甘えられることも。


「ありがとう、弟者くん」

小さく呟いて彼の胸に顔を埋めた。



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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

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