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「おついちさん・・・あの・・・」
どうしてあんなに怒っていたんだろう。
デートに行ったんじゃ・・・。
頭の中に疑問が次々に浮かんでくる。
「ごめん、A・・・
今までずっと傷つけるようなことして」
おついちさんが何を言っているのかわからない。
「俺、ずっとAのこと好きだったんだ」
「え・・・?でも、・・・え?」
どういうこと?
今までも、さっきも綺麗なお姉さんと・・・
「本気になるのが怖かったんだ。
だから、逃げてたのも・・・ある」
「ならどうして、さっき・・・」
デートに行ったはずなのに・・・
「兄者から連絡来たんだよ。
『 おっつんがこのままならA取るぞ』って」
そんな連絡・・・いつの間に・・・。
「で、慌てて戻ったらあれでしょ・・・。
もう俺一瞬でプツンっていきそうになったからね、
ほんと・・・」
はぁ、とため息をつくおついちさんは
私の頭を優しく撫でて苦笑する。
「誰かに取られるかもって思った瞬間、
本気になるのが怖いとか言って逃げてる自分が
馬鹿らしくなってさ。」
そこまで言っておついちさんは
真剣な表情で私を見つめた。
「A、今まで傷つけてごめん。
これからは自分の気持ちに素直になるよ、だから・・・
こんな俺でもよかったら付き合って欲しい」
信じられない。
ずっと手の届かない人だと思ってた。
そのおついちさんが今、目の前にいて
私と同じように好意を持ってくれてて・・・。
「はい・・・」
声が震える。
伝えたい・・・ずっと言えなかったこの気持ち。
「私、ずっとおついちさんが好きでした。
私の方こそ、よろしくお願いします」
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時