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イベント後、会場を出ようとした時
係の人に引き止められた。
「すみません、落し物があるようなので
確認していただいていいですか?」
「え?落し物ですか・・・?」
(なんだろ、私なにか落としたかな・・・)
案内された部屋のドアをノックすれば
中から「どうぞ」と声が聞こえた。
(あれ・・・・・・今の声・・・)
どこかで聞いたような声・・・
そんなことを思いながらドアを開けたらそこには
椅子に座ってタバコを吸うおついちさんがいた。
「え・・・・・・あ、あの、私落し物を・・・」
なにこれ・・・。
どうしてここにおついちさんがいるの・・・?
「やっぱそうなるよねぇ」
おついちさんが笑いながら
こちらに向かって歩いてきた。
「キミをここに呼ぶために落し物って言って
連れてきてもらったんだよね。
ビックリしたでしょ、ごめんね」
そう言って笑うおついちさん。
私はと言えば何が起こったのかわからなくて
その場に呆然と立ち尽くしていた。
「えっ、ごめん。ほんと嫌だった?」
立ち尽くす私の様子をみたおついちさんが
急に不安そうに顔を覗きこんできた。
「・・・っ!!!」
いきなり近付けられた顔。
こんな近くで見るなんて想像もできなくて
思わず手で顔を覆ってしまった。
「うわー・・・ほんとごめん・・・。
俺、トークショーの時からキミの事気になってて
どうにかして話出来ないかなって思ったんだけど。
怖がらせちゃったね・・・」
そんな・・・!
「あ・・・違うんです、その・・・ビックリして・・・
こうやって話せるのが信じられなくて、
嬉しすぎて」
もう自分で何言ってるのかわかんない。
だって・・・だって!
目の前におついちさんがいる!
「そうなんだ・・・よかった・・・」
私の言葉に安心した表情を浮かべるおついちさん。
(あ・・・)
この人、こんな表情するんだ・・・。
「よかったら、ちょっと話しない?
ここじゃなんだし、場所変えてカフェとかで。」
私・・・もうここで全部の運
使い果たしてもいい・・・!
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時