YouTuberの友達です。 7 【東海オンエア】

騒【りょうside】《いちごみるくさんリク》 ページ12

虫「ただいまー」



「お邪魔します…」



て「ねー虫さんファミチキ…あっ、A！と虫さん！なんでそんな濡れてんの！？あ、俺の傘のせいか」



り「だと思った。笑 はい、タオルどうぞ」



と「風呂沸かしといた」



虫「あれ、としくんってこんな出来る子だったっけ…」



と「余計なんだよその一言がよぉ！」



バケツの水を被ったかのような濡れ方をした2人が帰ってきた途端、一気に部屋は騒がしくなる。



虫さんの背中に隠れたままこちらを見つめるAをタオルで包んでやれば、潤んだ瞳が俺を捉えた。



「ごめんね」



り「謝ることじゃないでしょ、悪いのは夕立だから笑」



り「虫さんちょっと待てる？先A風呂入れていい？」



虫「全然いいよー」



て「A、着替え俺ので良かったらここ置いとくー」



Aが心配なのだろう、あのてつやがふざけずに着替えなんか用意しちゃってる。



Aがいないときにもこんな感じだったらどれだけスムーズに撮影が進むことか…。



「じゃあ…お風呂借りるね、ありがとう」



て「はーい…てか今の会話めっちゃカップルっぽくない！？」



と「はいはいそうですね。」



入っといで、ととしみつに背中を押されてお風呂に入ったA。



それを目で追いながらぽつりと虫さんが呟いた。



虫「Aの携帯、みた」



て「…え！？虫さんそれはだめでしょー！笑」



と「まじかよ！チクってやろーぜ！！」



事の重大さを理解していないてつやととしみつがつつき合ってじゃれ始める。



おいおい、と止めようと虫さんを見れば、いつの間にかAの携帯を持って2人に押し付けていた。



みるみる2人の表情が曇っていく。



何となくだけど、俺も察しがついた。



虫「多分、朝僕達が体操服届けたときに見てたヤツ。もともと何かしらAにマイナスな気持ち持ってたんだろうけど」



と「またしょーもねぇヤツ出てきたなぁ」



て「こいつがらレインコート盗ったの？…Aが風邪引いたら絶対許さん」



画面には、ひっきりなしに表示される通知。



そこに並べられた悪意たっぷりの言葉。



まただ。



また、Aを傷つけるような奴が出てきたんだ。



り「…風呂上がってきたら話聞こうか」



虫「わかった。じゃあもうすぐAお風呂から出てきそうだから、後はりょうくんお願いするね」



り「うん、」



握った拳が小刻みに震えていることには、まだ、気づかない。

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