騒【虫眼鏡side】《いちごみるくさんリク》 ページ11
虫「…」
虫「…ちょっとコンビニ行ってくる」
て「はいはい、俺ファミチキー!」
り「虫さん、車出そうか?」
虫「ん?大丈夫大丈夫、近いしいいよ」
と「雨酷くなってきたなー」
虫「てつや傘借りるね、行ってきます」
て「あ、ちょっと待ってそれ…」
傘立てにあった傘をひったくって外へ飛び出した。
後ろから僕を引き留めるようなてつやの声が聞こえた気がするけれど、今はそれに構っている暇はない。
ロビーで傘を広げてみると、その傘の骨はあちこちに折れ曲がっていて使い物になりそうにない。
何でアイツこんなぶっ壊れた傘立ててんだ。バカか。
もう一度傘を取りに行く時間さえももどかしく感じる。
コンビニ行くとか言って財布と携帯忘れてきちゃったみたいだけど、今は僕にとってそれが好都合で、
地面に絶え間なく強く打ち付ける雨の中を急いだ。
━━━━━━
「くっそー、あのおなご…」
びっちょびちょやんけぇ!、って小さく声を漏らす。
水を含んだ制服のせいか、体が重い。足取りも重い。
雨で前が見えなくなると危ないので自転車を降りて帰ったのが大失敗だったみたいだ。
真面目が故に犯してしまった失敗だな…ふっ…。
…いや、今はこんな呑気に歩いてる暇なんてない。
このまま雨に晒されていれば、教科書のページが全て引っ付いてベリベリになってしまう可能性がある。
早く帰ろう。
ぺったりとくっ付くワイシャツが鬱陶しくてボタンの1番上を外す。
その瞬間、雨に濡れて冷えた私の手が同じくらい冷たい手に包まれた。
「え」
虫「…Aが急にボタンに手掛けるからここで脱ぐのかと思ってびっくりしちゃった、笑」
「…虫くん、眼鏡曇っとる」
虫「…そこじゃないでしょうがぁ」
私の目の前に立っていたのは、傘も差さずに飛び出してきたのかびちょびちょで眼鏡を曇らせた虫くん。
ちなみに、表情も曇っている。
虫「てっちゃん家、行こ」
「おうちかえる」
虫「風邪引くから、てっちゃん家すぐだし」
虫「自転車貸してごらん」
「、ごめん」
震えた声にはっとした虫くんが、大丈夫だから、って背中を摩ってくれる。
でも背中を摩る私より小さな手は、私と同じ、いや、それ以上に震えているような気がした。
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むめ(プロフ) - 優さん» ありがとうございます(;▽;)嬉しいです(;▽;)更新めちゃくちゃゆっくりですが、どうぞお付き合いください(;▽;) (2019年1月2日 20時) (レス) id: 31725d356a (このIDを非表示/違反報告)
優 - めちゃくちゃ好みの作品です!更新頑張って下さい!応援してます! (2018年12月28日 14時) (レス) id: b364b26750 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - むめさん» 全然大丈夫です! (2018年9月9日 21時) (レス) id: d9dc425cfd (このIDを非表示/違反報告)
むめ(プロフ) - いちごみるくさん» リク了解しました!!ドラマとかそんな感じでも大丈夫でしょうか...??( ´艸`) (2018年9月9日 16時) (レス) id: 31725d356a (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - リクエストいいですか?てつやと2人で買い物に行って車が赤なのに突っ込んできて、てつやがひかれそうなところをたすけて代わりに引かれてしまう、そして記憶喪失になる的なのできますか?記憶はそのうち取り戻す的な感じで、お願いします! (2018年8月28日 20時) (レス) id: d9dc425cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むめ | 作成日時:2018年6月15日 1時