第3話 ページ5
ガタン…ガタン
電車に揺られながら、窓を見る
…イルミネーションかぁ、まだ付いてるんだ
クリスマスは真琴先輩が時間作ってくれて、二人で出かけた
その時貰った指輪は、ネックレスに通していつも持ち歩いてる
スターチスの花の真ん中に、ラピスラズリが置かれた指輪
スターチスの花言葉は変わらぬ誓い変わらぬ愛
ラピスラズリの意味は、愛と永遠の誓い
真琴先輩が教えてくれた
花言葉とか女の子らしい事は知らなくて、宝石の意味も知らなかった
…けど、ちゃんと意味を調べてくれて、考えてくれた
それだけで、嬉しかった
そう言えば私…お返ししてない…
…バレンタインでいいかな
でも私料理下手だし…
うん、女子らしく無いな←
…まあ女子らしくしようという気も無いしなぁ
別に良いか…
ピルルッ、ピルルッ
…メールだ
優姫からか、何だろう
『明日Aん家に行って良い?
課題すっごい難しそうだったから』
絵文字が無い、そそっとしたメール
い、い、よ…っと…
…あ、兄さんが来てること言った方が良いかな
言わなくて良いか、サプライズって事で
『良いよ、家で待ってる』
キキーッ
ガタッ
…降りよう
ー十数分後ー
ガチャ
「…ただいま」
父さんと母さんの靴が無い…
これは兄さんの靴だし
っていう事は、兄さんと二人きり!
「おう、帰って来たか」
「兄さん…久しぶり」
一週間会ってないだけだけど、すごく嬉しい
「母さんたちは?」
「旅行だとよ、月曜まで帰って来ねえ、シチュー出来てる」
やった!三連休だから三日間兄さんと過ごせる
「…勉強?」
「ああ、俺も大学行くしな」
「…教えよっか」
「あ?…妹に教えて貰うなんて屈辱だろ」
真琴先輩と同じこと言ってる
「もう部活無いの?」
「当たり前だろ、引退してんだから」
ウチの陸上部は世良先輩が引き継ぎで残ってるけどなぁ
「凛くんは?三連休だったら来れば良いのに……凛くん来たら江も呼ぶし」
凛くんと江は互いに兄弟で仲が良い
偶然ってすごいと思った
「凛は…呼んだら来るかもな」
「そっか」
立ち上がって台所に行ってシチューを注ぐ
兄さんが作ったの?
「まさか、お袋が作ったに決まってるだろ」
「嘘吐き」
「……バレたか」
兄さん、毎回その嘘吐くからバレるよ
「だって兄さん料理上手いし」
「まあな」
「歌は下手だけど」←
パキッ
言った瞬間、シャー芯が折れた
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