にじゅうなな ページ28
___翌日。
やっぱり一ノ瀬くんは家の前に来なくて、代わりに相川くんがニコニコと待っていた。
相川くん情報によると、今日はくるらしいけど…ホントに来るのかなぁ…?
……あ、来てたわ()
『お、おはよう、一ノ瀬くん』
「……なんだ、お前かよ」
教室に入るや否や、目に飛び込んできたふわふわの黒髪。
机に突っ伏す姿も、気だるそうな声もそのままで…何にも、変わっていなかった。
『久しぶり、元気にしてた?』
「…まあ、そこそこ」
『ずっと休んでたの、心配したよ?』
「…」
『あ、あと、今日荷物持ちしなくて大丈夫だった?相変わらず重そうだけど、』
「…あのさあ」
ダンッ
勢いをつけて、一ノ瀬くんが立ち上がった。
突然の出来事に、クラス中の視線が私たちに集まる。
「何で分かんない訳?ずっと学校休んでたの、そういう意味だったんだけど。鈍感すぎな」
『どゆこと…?』
「ああもうめんどくさい!」
初めて聞く一ノ瀬くんの大声に怯えていると、彼は軽く舌打ちしながら教室を出て行ってしまった。
いつもと変わらない後ろ姿、でも怒っているのが露わになっている。
『ま、待ってよ一ノ瀬くん!!』
階段あたりまで来て、やっと一ノ瀬くんに追いついた。
掴んでいる細くて白い腕を、試しに引っ張ってみたけれど、びくともしなかった。
『何で怒ってるの…?』
「…おまえ、ホントに分からない訳?俺が何で休んでたのか、心当たりとかないっていうの?」
『え、だって相川くんが風邪だって、』
「……その“相川くん”との事だよ」
『…はあ?』
つまり彼は、風邪じゃなかったという事なのだろうか。
それは良かったとして、じゃあどうして相川くんが出てくるの…?
「お前は相川と付き合ってるんだろ?じゃあ、荷物持ってやってるだけの赤の他人に、関わる必要なんかないし、その時間は相川と過ごすべきだ。
・
だから、もう俺には関わるな」
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まぬぬ - とても素敵でました!!続編見たいんだけどパスワードが……(`;ω;´) (2020年5月11日 16時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
白心 - 初見です!めっちゃキュンキュンしながら読ませて頂きました続編も楽しみです!! (2019年12月26日 2時) (レス) id: eaadcc5fd8 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - あやのりさん» えええありがとうございます;;そう言っていただけると嬉しいです~~!! (2019年12月22日 12時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
あやのり(プロフ) - 初見です!もでらーと。さんの作品めっちゃハマりました^o^ (2019年12月20日 20時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。 - 月見。さん» ww…私もですwwチョコはホンマに美味しい…もうチョコになりたいです(何言ってんだコイツ) (2019年3月27日 17時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もでらーと。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/
作成日時:2019年1月12日 23時