じゅうご ページ16
…×…
「…はぁ、」
両手で顔を覆い、大きなため息をつく。
頬が明らかに火照っていることに、嫌でも気づいてしまった。
「＿＿＿＿なんであんな真似」
さっきのAの顔を思い出すと、なんとも言えない感情が心を擽る。
まったく、今日はどうしてしまったのだろう。
柄にもなくAの心配をしてみたり、下の名前で呼んでみたり、挙句の果て少女漫画のようなことをして。
出るときに見た、Aの真っ赤な顔が目に焼き付いて離れない。
(…教室戻るか)
ふるふると力なく頭を振り、もと来た廊下を戻る。
俺の方を見てくる女子に気づき、そういや噂とか立てられそうだなぁと軽く気にした。
「うぉっ！？」 「わあっ！？」
よそ見していると、誰かにぶつかってしまった。
謝りながら顔を上げると、あの学級委員長だった。
「一ノ瀬くんか…あ、Aさん大丈夫なの？」
「今寝てる」
「そっか。僕、お見舞いに行こうと思ってて、」
ズキリ。胸が痛んだ。
自分に内心驚きながら、落ち着けと諭す。
得意の無表情を決め込み、相川から目を逸らした。
「…あっそ」
「うん。じゃあね」
去っていく相川の後姿を見ながら、何となく虚しい気持ちになる。
さっきより赤くなんのかな、と考えると、また胸がチクリとした。
(っ…別に誰がアイツの見舞いに来ようと、俺には関係ない)
自分に言い聞かせ、彼の見えなくなった廊下に背を向ける。
本当は…認めたくなかっただけだったのかもしれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぬぬ - とても素敵でました！！続編見たいんだけどパスワードが……(｀；ω；´) (2020年5月11日 16時) (
レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
白心 - 初見です！めっちゃキュンキュンしながら読ませて頂きました続編も楽しみです!! (2019年12月26日 2時) (レス) id: eaadcc5fd8 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - あやのりさん» えええありがとうございます；；そう言っていただけると嬉しいです~~!! (2019年12月22日 12時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
あやのり(プロフ) - 初見です！もでらーと。さんの作品めっちゃハマりました^o^ (2019年12月20日 20時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。 - 月見。さん» ww…私もですwwチョコはホンマに美味しい…もうチョコになりたいです(何言ってんだコイツ) (2019年3月27日 17時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もでらーと。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/
作成日時：2019年1月12日 23時
