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じゅうよん ページ15

『ん〜っ、いった……』


ゆっくりと体を起こすと、途端に激しい頭痛が襲ってきた。



片手を後頭部に添えながら辺りを見渡す。

殺風景なベッドから察するには、どうやら保健室らしい。


(…そか、私倒れたんだった)


少しの間記憶を失っていたことに、軽く寒気を覚える。

そうだった気がする。何か視界がどんどん暗くなっていって、誰かが私を呼んでいて____



(あれ、私……保健室まで誰に連れて来てもらったんだろ…?)



「あ、起きた?」


一人首を傾げていると、カーテンの向こうから低く心地よい声がきこえてきた。


『……、どえええええ!?い、一ノ瀬くんっ!?何でここに!?先生は!?』

「うっるせぇな。先生出張だし、ってか何でもなにも、俺がここまで連れてきたんだし……あ、」


さっきの十倍びっくりして一ノ瀬くんを見上げると、あからさまに「しまった」と言いたげな顔をしている。


つ、つまり…意識を失う直前に感じた温もりは、一ノ瀬くんのってことだよね…?

いや、それやばくない!?また変な噂立てられるし、というか私なんかが恐れ多いし……




「ったくよ、朝飯ちゃんと食えって」


ぽん。

一ノ瀬くんが、わたわたと冷や汗を流す私の頭に手を載せた。


『え…?』

「世話焼かせんな。…ほら、まだ顔色悪いし寝とけ」


一ノ瀬くんは私の髪をくしゃっと混ぜて、カーテンの外に行ってしまった。




(…なに、この感情)


一ノ瀬くんの手があった場所が、尋常じゃないくらいに火照っている。

それに加えて、甘くて苦しい胸の動悸____



(……寝よっかな)


____認めたくなかったと言えば本当なのかもしれないけれど……今は、気づかないことにしたかったんだ。

じゅうご→←じゅうさん



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まぬぬ - とても素敵でました!!続編見たいんだけどパスワードが……(`;ω;´) (2020年5月11日 16時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
白心 - 初見です!めっちゃキュンキュンしながら読ませて頂きました続編も楽しみです!! (2019年12月26日 2時) (レス) id: eaadcc5fd8 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - あやのりさん» えええありがとうございます;;そう言っていただけると嬉しいです~~!! (2019年12月22日 12時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
あやのり(プロフ) - 初見です!もでらーと。さんの作品めっちゃハマりました^o^ (2019年12月20日 20時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。 - 月見。さん» ww…私もですwwチョコはホンマに美味しい…もうチョコになりたいです(何言ってんだコイツ) (2019年3月27日 17時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もでらーと。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/  
作成日時:2019年1月12日 23時

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