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大切なもの ページ28

「……ところで優ちゃん。新ちゃんはどうしたの?」

一人カッコつけるように饒舌に語る優作に、笑顔を崩さずにきいた。

「……そうだ!有希子、ちょっと来てくれ。何をやっても新一が泣き止まなくて困っていたんだ。」

「んもー!しょうがないわねー!」

急いでAちゃんの手当てを済ませて居間へ向かった。すると、

「ふぎゃああ!!」

「……あら〜!新ちゃんどうしたの!とりあえずオムツじゃなさそうね。うーん、どうしたのかしら?」

「ミルクかなと思って作りはしたんだけど、全く飲んでくれなくて。」

と、ミルクの入った哺乳瓶を見せながら言った。もしかして眠いのかしら……。






「……あれ?Aちゃんは?」

あの後、新ちゃんが泣き疲れて眠ってしまいひと段落した。ついAちゃんに声をかけ忘れたと思ったのだが、探しても彼女は一向に見つからなく。

「……?何してるんだ、有希子。先ほどの少女なら手紙を置いて行ってしまったみたいだけど。」

「嘘っ!せっかくだからお昼も用意したのに!」

というか優作も気づいていたならもっと早く教えてくれればいいのに。何よ、一人だけ知った顔しちゃって!

「……!あの子、ポーチ忘れてるじゃない!優ちゃんどうしよ〜!」

と、私が一人慌てていると優作はまた余裕そうに笑って、

「大丈夫だよ。あの子なら今日ここに来るから、……鳴海Aちゃんならね。」

優作が確信したように笑って携帯電話を見ていたが、私にはそれが不思議で仕方がなかった。
そして、その夜、優作の言葉通りに家を訪ねてきた人がいた。

「……はーい。どちら様ですか?」

『えーと、鳴海と申します。本日娘がお世話になったようで……』

「あー、Aちゃんの!今行きますね。」

と玄関に向かう間も、内心疑問だった。どうして優ちゃんにはわかったんだろう?いや、あのポーチがAちゃんの大切なものだとすれば……。

「夜分遅くにすみません。娘がどうしてもというので……」

と笑うのは温厚という言葉が当てはまるような穏やかそうな男性だ。一方で少女は一歩引いて隠れていてまさに対照的な親子だった。

「いえいえ!……Aちゃん、忘れ物はこれだけ?」

少女は受け取ると、小さな声で感謝の言葉を言った。

「実はこの中身、母親の形見なんですよ。なんでAが持ち出したのかはわからないんですけどね。」


……そっか、優作はそれがわかってたからあんなことを言ったのね。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年4月27日 22時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 続き書いて (2021年11月11日 19時) (レス) @page30 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
焼きプリン - とても面白くて今日一気見しました!!!続きがとても気になります!楽しみにしてます。頑張ってください! (2021年3月25日 20時) (レス) id: ecb566eb91 (このIDを非表示/違反報告)
す だ(プロフ) - 頑張ってください!たのしみにしてます (2020年7月14日 2時) (レス) id: ebbf33f874 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 花束さん» ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります!頑張ります! (2020年4月24日 12時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月乃 | 作成日時:2019年10月6日 18時

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