私が好きなアニメとかの短編集 (ページ5)

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「#コンパス：ルチアーノ」彼女と少女ページ5

｢ルチアーノさんが好きです！

お願いです､私の気持ちに気づいていなかったなんて言わないで…｣

今にも零れ落ちそうな少女の涙を親指で拭い､背を向ける

｢私の想い人は彼女しかいない。

彼女を亡くした今､私の心は誰にも揺らぐ事は無い…｣

そう､

揺らぐ事など無いはず。無いはずだと､自分に言い聞かせるように。

私は顔の見えない少女へと言葉を零す。

「大切な人を亡くした苦しみはとても深くて辛いものだと私も理解しているつもりです！！」

｢そうか……それなら､尚更のこと諦めてはくれないか…｣

｢…ですから､貴方を支えて同じ道を歩みたいと思うのはいけないことでしょうか！？｣

やめてくれ

｢貴方は私を避けている！

何故､他の子達とは話すのに私とは口を聞いてくれないの…

挨拶だって､バトル中だって､いつもそう……｣

お前と話していると

｢なのに貴方は私の事をいつも見ているかのように､何も言わずに助けてくれる

好きでもないくせに助けないで…！｣

気が強くそれでも優しい彼女とお前を重ねてしまう

｢…ルチ……アーノ…｣

気がつけば私は､ポロポロと涙を流す少女を胸の中へと抱き寄せていた。

｢危なっかしくて目が離せなくなる。…彼女に似ているんだ…｣

｢私とルチアーノの奥さんが…？｣

｢あぁ…。だからお願いだ､私に関わらないでくれ。

お前と居ると私は変になってしまうんだ。

…胸が苦しい。彼女が今も生きているような錯覚さえ覚える……私を苦しませないでくれ…｣

｢わかりました。でも最後に一つ､お願いを聞いてもらってもいいですか？｣

少女は耳元へと顔を近づけ

私の名前を呼んでほしいと､囁いた

｢お願いします｣

｢…A｣

そう一言､少女の名前を呼べば

｢大好きよ。ルチアーノ｣

彼女は幸せそうに微笑み､

私に唇を重ねた_______ 。