【歌い手】年上彼女にスポットライトを。【大型コラボ】 (ページ14)

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【うらた】エピローグにはまだ早い/星結ページ14

＊side Urata

「…A、就職すんの？それとも進学？」
「うーん、就職かなぁ。頭悪いし」
「何になんの？」
「とりあえずコンビニとかでバイトして、やりたいこと探す」
「…そっ、か」

秋空には既にちらほらと星が浮かんでいて、それらを結んで星座を描いた。
ありもしない星座を作って、君の名前をつけた。
そんなことを君に伝えたら、ポエムみたいだと馬鹿にされるだろうか。

「渉も卒業でしょ？高校」
「うん」
「渉はどうするの？」
「とりあえず進学」
「あは、2人とも"とりあえず"」
「仕方ねぇだろ。別に強烈な理由ねぇんだし」

また１つ、星座ができた。
道は一直線に伸びているのに、前にも後ろにも人の気配はなく、2人分の足音と、微かに聴こえる電車の音だけがコンクリートの壁に響いていた。

ふと思った。
俺の気持ちは俺の中だけで自己完結している。
Aを見ているだけで満足しようとする自分がいる一方で、触れたい、俺のものにしたいと抗う自分がいる。
今伝えたら、君はどんな顔をする？
見たい。
好奇心のまま、振られる確率すら計算しないままに言った。

「…Aさ、あと4年待ってっつったら、待てる？」
「え？4年？」
「あと4年したら、俺が大学卒業するだろ、そしたら、

結婚したい

「いきなりだね」
「…驚かねぇの？」
「うん。小ちゃい頃約束したもん」

得意げに話すAの顔を見ていたら、先程まで考えていたあれこれがすっと吹っ飛んだ。

まるで年上とは思えないけども、こいつは俺がいないとダメだ、そう思った。
年上の彼女が出来た奴は、尻に敷かれるだのアレをリードされて面子がどうだの言うが、どう考えてもAにそれらは有り得ない。
常識範疇外のAは、常識範疇の俺が面倒見てやらないと、なんて無理矢理こじつけた理由を背に、そっと白い肌にぽつりと浮かんだ紅色の唇にキスを落とした。

俺達の恋は、まだ始まったばかりだ。
エピローグには、まだ早い。