第1音楽室には幽霊が出るらしい。 (ページ4)

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吹奏楽部と×××××＿3 ページ4

「...何か悩み事でもあるのかい？」

「え？」

なんだか紫色の瞳に心を見透かされている気がした。

「じ、実は、新しく部長になったのはいいんだけど
ちゃんとやれているのか、とか、これからやって行けるのか、不安でさ」

「成程ね」

「うちの吹奏楽部ってまあまあ人数多かったし、
新入生が入ってきてくれるのかとか...
...それ以前に、今の部員に、信頼されているのか...って思って」

渡瀬は嫌な顔をせず、ニコニコしながら相槌をうっている。
聞いてくれたらなんだか楽になった気がした。

「...ごめん、今日会ったばかりなのに愚痴っちゃって」

「あはは、構わないよ。

...それにしても、部長ってやっぱり大変なんだね。
でも僕は、それだけ部活に対して真剣に考えている
君なら、何も心配は要らないと思うよ？」

驚いた。
まさかこんな返事が帰ってくるとは思わなかった。
正直、渡瀬の言葉に元気づけられた。
明日も頑張ろう、という気持ちが少しずつ湧いてくる。

「！...あ、ありがとう」

「ふふ、礼には及ばないさ。
...そういえば君、帰らなくていいのかい？」

少し心配そうに顔を覗き込まれる。
横目で時計をみると、もう9時半を過ぎている。
俺は思わず2度見してしまった。