第1音楽室には幽霊が出るらしい。 (ページ3)

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吹奏楽部と×××××＿2 ページ3

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「へぇ、身体が弱いから普段の授業には出られないのか。」

彼の名は「渡瀬奏」
どうやら同級生のようだが、名前を聞いたことがない。

それもそのはず、彼は持病のせいで日中は学校に行けないらしい。
数少ない趣味が音楽で、夜の学校に立ち入っては
ピアノの演奏をしていると言った。
ぶっちゃけ、忍び込むのはどうかと思うが...

しかしそれほど音楽が好きなのだろう。
彼曰く、学校のピアノの音が良いらしい。

確かに肌はどことなく青白く、あまり健康的とは言えない。
挙動も少し頼りない感じがした。

「ふふ驚かせてしまってごめんね。」

「いや、俺こそ...」

"幽霊"かと思った。だなんて...不謹慎で言えない。

「真崎くんはどうしてここにきたんだい？」

白くて細い首を傾げてこちらの顔を覗き込む。

「音楽室の鍵を持って帰っちゃったから返しに来たんだけど、
鍵閉めたか不安になったから見に来たんだ。」

「はは、道理でどこを探しても鍵がない訳だよ」

渡瀬は悪戯っぽく笑った。

「ご、ごめん」

「いいんだよ。鍵はあいていたんだし」

「あ〜...結局俺、閉めるの忘れていたのか...」

部長だなんて言っているが、
きちんとやれているのか不安になった。
このまま、俺はやって行けるのだろうか...