3..名前 ページ6
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あれは 、誰だったのだろう 。
ひとり 、ベッドに寝転がって考える 。
ごめんなさい 、そう慌てて謝ってきた 。そんなに焦らなくてもいいのに 。
少しぶつかっただけ 。ただそれだけなのに 。
「 はぁ... 」
君のことが 、あの匂いが 、あの染まった耳が 。
頭から離れないんだ 。
名前はわからない 。ただ分かるのは 、あの子はうちのクラスで 、窓側の1番後ろの席ってことだけ 。明日 、確認すれば分かるんだけど 。
早く名前を知りたい 。
早く話してみたい 。
慌てた声は上ずってて 。どんな声で話すのだろう 。
興味が尽きない 。
「 なんて..おかしいかな 、 」
答えの出ないことを考え続けても意味がない 。
もうさっさと寝るのが一番だよね 。
俺は静かに目を閉じた 。
・
ar「 はよー! 」
「 おはよう... 」
yb「 あれ 、雄也疲れ気味? 」
「 ふ..ぁあ...まぁ 、ちょっと 」
結局眠りにつけたのは夜中で 。朝から止まらないあくび 。
hk「 なんか悩み? 」
「 ううん 。別にそんなことじゃないから大丈夫 」
なんかあったら言えよ?って言ってくれる光くんたち 。
やっぱ持つべきものは友..!←
ちらっと一番後ろの席を見る 。
そして気づく...そういえば薮くんの後ろの席じゃん...(←)
「 薮くん 、 」
yb「 ん? 」
「 薮くんの後ろの席 、誰かわかる? 」
yb「 後ろ..?えっと...確か..黒髪の 、メガネにマスクしてた気が..よく見ねぇから名前とかわかんねぇや 」
「 えっ... 」
恐るべし存在感の無さ..。
仕方ない 。こうなったら本人が来てから直接聞こう 。
・
そう決意したのはいいものの 、あの子は来るのは遅いし 、今日は生憎 移動教室が多い 。
あっという間に昼休みになって 。みんなと食堂には向かわず 、購買で買ったパンを片手に裏庭に出た 。
見渡しても姿はなくて 。
そのとき 、ふわり ふわり と舞うチョウが横切った 。
綺麗で 、思わずついて行ったんだ 。
このチョウは 、俺たちを引き寄せてくれたのかな___?
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作者名:らて | 作成日時:2017年8月17日 18時