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ふと教室を見渡すと俺以外誰もいなくて 。
いつもガヤガヤしている教室だから 、寂しいような..でもたまにはこんな空間もいいな 、って思える 。
目に入った机にはスクールバッグが置かれていて 。
「 あれ..まだ残ってるのかな... 」
教室の 窓側の 1番 後ろの席 。
その席は 、俺の知らない“ 誰か ”の席だった 。
誰とでも話せる俺 。すっかりクラスの全員と話したつもりでいた 。
でも違う 。この席は確かに俺の知らない“ 誰か ”の席 。
「 誰 、だろ... 」
ぼーっとその席を眺めてたら廊下でかたん 、と音がした 。
でも見に行くと誰もいなくて 。
「 はっ...日誌書かなきゃ.. 」
日誌をつけていない事に気づいて急いで仕上げた 。(←)
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「 は..終わった 」
授業内容を思い出して書いてたら10分もかかってしまった 。
時刻はもうすぐ5時 。ノートと日誌を重ねてスクバを持って教室を見渡す 。
やっぱりあの机にはスクバが置いてあって 。
気になるけど遅くなりすぎると担任に怒られるから仕方ないか 。
そう割り切って教室のドアをあけたとき 、ちょうど
“ 誰か ”が入ろうとしてて少しぶつかってしまった 。
俺はノートが数冊落ちただけだけど相手はふらついちゃったみたいで尻もちをついてて 。
「 大丈.. 」
「 あっ 、ご..ごめ 、なさぃっ 、!! 」
手をこれでもかってくらいぶんぶん振って高速で逃げてしまった 。
「 ..
顔は見えなかったけど 黒い髪の間からわずかに見えた耳はこれでもかってほど真っ赤で 。
ふわっと香る匂いはまるで
これが俺が君を知った瞬間のこと 。
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作者名:らて | 作成日時:2017年8月17日 18時