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未玖「この際、友達としてハリーと行ったら?」
ジニー「有りかもね、案外それでロンも気付くんじゃない?うかうかしてられないって」
ハー「ハリーはジニーと行きたいのよ」
ハーマイオニーの言葉に全員が押し黙る。
「まあ兎に角…誘ってくれない想い人より、誘ってくれる近くの人の方が良いわよ」
沈黙の中、真緒がそう言った瞬間だった。
目の前の扉が開いたのは。
ドラコ「……もう一回言ってみろ…」
未玖「ひっ!般若…!」
ドラコが未玖を眼力で黙らせ、更に全員に睨みを効かせると、真緒を残して3人は音もなく立ち去った。
真緒は曖昧な笑顔のまま、ドラコに小首を傾げる。
「…何だか、とんでもない誤解を招いたみたいね」
ドラコ「僕が誘ってくれないから、誰と行くって?」
今なら例え冗談でも名前を挙げたら、その男性はドラコの手によって、肉体的にとは言い難いが、少なくとも社会的に、もしくは精神的にーー抹殺されそうだ。
「ハーマイオニーとロンの話よ。貴方以外から沢山誘いは受けたけど、どれも断ったわ」
真緒がさらりと伝えると、ドラコは決まり悪そうに頰をかいた。
ドラコ「知らなかったんだ、ただの仮装大会だと思ってたから…さっきザビニに聞いて知ったよ。だから、急いで来た」
落ち着かない様子でドラコは早口で言うと、真緒の座ったら?という勧めで大人しく椅子に腰掛けた。
ドラコ「あのーー…こんなところで言うのもあれなんだけどーー…僕と一緒にハロウィンに行こう」
昨年のダンスパーティーのお誘いとは随分違った誘いだが、真緒は笑みを零して頷いた。
「貴方となら、行くわ」
ドラコは満足げに頷くと、目の前の紅茶を勢いよく飲んだ。
「あ、それ未玖の飲みさーー」
勢いよくドラコの口から紅茶が溢れた。
ドラコ「っそういうことは早く言ってくれ!」
「あら、見たら分かるかと思って」
ドラコの慌てふためく様子に真緒は吹き出しながら答えると杖を振って食器を移動させ、新しいものを出した。
緊張するほどのことでもないだろうにーー真緒は目の前の青年が可愛いらしくて堪らなかった。
ドラコ「で、どうする。狙うなら当然、優勝だーー…ダンスは僕のリードで完璧だから問題はコスチュームだ…」
僕のリードで完璧だからと真面目な顔で言える自信に感服しながら、真緒も神妙に頷く。
ドラコのリードは確かに完璧なのだ。
ドラコ「君は何でも似合うからな…」
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作者名:M.S | 作成日時:2019年9月7日 18時