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私が上を向いたと同時に、キバナさんの顔が近づく
鼻先が触れそうなくらいの距離と
私を見つめる、ターコイズブルーの瞳
ポケモンじゃあるまいし、ヒトが目から光を放つわけないのに
キバナさんの目は鈍く光っているように見えた。
そして……その瞳いっぱいに今
私だけが映っている。
『ど、どうし＿＿＿＿＿＿』
「……」
さらに顔が近づいて
私は逃げる気持ちを忘れ、その場に固まった。
……唇が触れ合うか、触れ合わないかの距離
ど、どうしよう……動けない……！
私の頭の中は、不安とか緊張より
焦り、そんな感情で溢れていた。
『……っ』
キスはしてない
唇は触れてない。
なのに、長くずっと同じ体勢で……
顎に手が添えられていて、顔を下に向けることも出来ずに
ただキバナさんの方へ向かされていた。
「……」
『……』
……パッと顎から手が離れ
私は、顔の自由を得たが
固まって、しばらくは上を向いたままでいた。
『な、何の時間……ですか？』
「……別に？」
ちょっと無愛想な返事の後に
身体も離されて、珍しく無表情なその顔に
私の気持ちは、焦りから不安に変わる。
「……じゃあな」
『え……』
私はその場でポツンとたたずむ
何故、腕を引っ張ったのか
何故、抱き締めたのか
何故、キスされるのでは、と焦るくらい顔を近づけてきたのか……
たくさんの疑問の中で、1番モヤモヤとした感情がある。
『……』
……キスされなくてホッとしてる反面
この人になら、キスされても良いと
少しでも思ったことだ。
『……なん、で……』
「A……」
名前を呼ばれて、ハッとして振り返れば
そこには、表情が曇ったマツバさんが立っていた。
『マツバさん……』
「……今の、キバナさん、だよね
キス、してたの……？」
その言葉に、私達の体勢が
他人から見れば、明らかにキスに見えていると知った。
駅にはちょうど、列車から降りた人がたくさんいて……
私は自分に精一杯で余裕がなくて、そんな可能性を考えもしなかったけど
キバナさんとキスしているように見えた人は、きっとたくさんいる。
あの、有名で大人気なキバナさんとキス……？
……。
『……ッ
ち、違う！！
私……キスしてないよ……ッ！』
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さやか(プロフ) - 初めまして呼んだ開口に何故か「ん？」となってしまったんですけど手持ちポケモンが（キバナ）になってますよ？？ (2022年12月12日 7時) (
レス) @page2 id: 71c5a1ef4d (このIDを非表示/違反報告)
槻みこと(プロフ) - キノコさん» お初のコメント、お待ちしておりました！！事細かに読んで頂き、とても嬉しいです^^ 例の事件については、あと数話で判明致しますので、ぜひ読んでください。 コメント頂き、ありがとうございます！ 頑張ります♪ (2020年4月19日 12時) (レス) id: b9f86bca6f (このIDを非表示/違反報告)
キノコ(プロフ) - はじめまして！お話拝読させて頂きましたがとっても面白いです！私もマツバさん好きなので読んでて｢キャー｣となってしまいました！度々出てくるミュウも凄く可愛いです！主人公ちゃんに過去何があったのかとても気になります！これからも頑張って下さい！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: 96e9316664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：槻みこと | 作成日時：2020年4月9日 18時
