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上がってきたのは、父


秘書の方1人、SPらしき人が1人だった。









『お久し振り、お父さん』


「おお、A!

先に着いていたのか」








父は私を見て笑った後に


兄を見た。









「ダイゴ、アサギシティまでご苦労」


「事件のこともあるからね、Aの安全第一

……当たり前だよ」


『……』









その言葉に、ガラル地方へ来た楽しさも


兄との久々な再会の嬉しさも


どんどんと薄れていった。



そして、何故か痛む手首をぎゅっと握ると


兄がその手を優しく掴んだ。









『……』


「……」







私がチラッと兄を見ると、目が合って


大丈夫……そう言ってるように笑ってから手を離した。



私は手を握るのをやめて、前を向くと


父に笑ってみせる。









『それで、何故ナックルシティへ?』


「……ふむ、まずは座ろうか」






SPは父の後ろに立ち


秘書の方と兄が向かい合うように


そして、父と私が向かい合うように座ると


父は楽しそうにメニュー表を手に取った。








「社長、私が」


「ああ、ありがとう」








秘書の方が、メニュー表を手に持ち


私達にも見やすいようにしてくれる



父はブラックコーヒー


兄はエスプレッソ


私はミルクティー



秘書の方はパソコンを取り出して、作業を始めた。


あくまで、話し合いの出席者は私達3人とでも言うように。







「それで……Aはあれから、体調はどうだ?」


『伝えてある通り、もう大丈夫!』







私がそう言うと、父は笑うが


どこか不安気で……



それもそうだ、私も親の立場なら


子供がどう言おうと、病院からの結果を見ようと不安になる









『仕事も再開出来そうだよ、待っててくれてるお客さんがいるの』


「その事なんだが……」


『……?』








少し言いにくそうな顔。



帰ってこい……と言うに違いない


私は言われるより先に察して、表情が暗くなっていく感じがした。







「ジョウト地方にいるのはやめて欲しいんだ」


『……』


「また繰り返す危険がある

本来なら、エンジュへ返すのも嫌だったくらいだ

カントー地方と、ジョウト地方以外ならホウエン地方に帰ってこいとは言わない」


『ジョウト地方、以外……』









その選択肢に、私は肩を落とす


幅の広さからして、かなり妥協してくれてると分かる。



だからこそ、ワガママが言いにくくて辛くなった。









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さやか(プロフ) - 初めまして呼んだ開口に何故か「ん?」となってしまったんですけど手持ちポケモンが(キバナ)になってますよ?? (2022年12月12日 7時) (レス) @page2 id: 71c5a1ef4d (このIDを非表示/違反報告)
槻みこと(プロフ) - キノコさん» お初のコメント、お待ちしておりました!!事細かに読んで頂き、とても嬉しいです^^ 例の事件については、あと数話で判明致しますので、ぜひ読んでください。 コメント頂き、ありがとうございます! 頑張ります♪ (2020年4月19日 12時) (レス) id: b9f86bca6f (このIDを非表示/違反報告)
キノコ(プロフ) - はじめまして!お話拝読させて頂きましたがとっても面白いです!私もマツバさん好きなので読んでて「キャー」となってしまいました!度々出てくるミュウも凄く可愛いです!主人公ちゃんに過去何があったのかとても気になります!これからも頑張って下さい! (2020年4月17日 21時) (レス) id: 96e9316664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:槻みこと | 作成日時:2020年4月9日 18時

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