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中は落ち着いた色の赤い絨毯が敷き詰められて


大理石の壁には、父の好きそうな石が等間隔に埋め込まれていた。









『相変わらず隙の無い装飾……』







私は半ば呆れつつ、荷物を置きに自室に真っ先に向かった。







『……って、やっぱり!!』







部屋を開けるとすぐに飛び込んでくる


白と水色が基調の、お嬢様のお部屋というような装飾



天蓋付きのベッドに、シフォンの布団


レース付きソファと、紅茶が並んだ棚


食器棚も、レースの装飾がされていて


胸焼けする程に、くどい。





『これは……着替えの服もドレスなんじゃなかろうか……』







……なんて、恐る恐るクローゼットを開けてみる。



真っ先に視界に飛び込んできたのは、白いネグリジェ


寝る時にね!と、父が耳元で言ったような気がした。




けれど、隣の服は至ってまとも


……本当に父が用意したやつ?






『……ん?』






その着替えの服をマジマジと見ていると、ピラッと紙が落ちてきた


それを拾って見てみると、綺麗な時で何か書かれている






―――Aへ


親父が変な服を用意していたから


そっと替えておきました―――








こ、これは……!







『うぅ……お兄ちゃん……』






こんな優しい気遣いが出来るのは


この世でも私の兄だけだろう。



私はじわっ、と優しさに触れて


兄にとても感謝







『1番の不安は無くなった!


でも……』







問題が1つある。


それは……






『パソコン持ってくれば良かったな


暇だ……』






明日の朝まで、暇だということだ。





























『……飽きた』







ソファで、紅茶を飲みながら


窓から、遠ざかっていくアサギシティを見ていたのだが


そんなアサギシティが見えなくなって、大海原


景色が変わらなくなって2時間、さすがに飽きてしまった……。







『うーん……』






操縦の方が5名


海路や天候、実際の操縦でも5人で行ってしまうなんて


凄い……


あとは料理人が2名と、スタッフが3名


そして、父の社員さん1名と私だ。




皆さん、仕事をされているので


特に話しかけにも行かず、私は天井を見上げるばかり。









『……そうだ!』









私は思い出した!と頭の上に“!”マークを浮かべて


鞄を開けると、楽しみにしていたガラル地方の少し厚いパンフレットを取り出した。









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さやか(プロフ) - 初めまして呼んだ開口に何故か「ん?」となってしまったんですけど手持ちポケモンが(キバナ)になってますよ?? (2022年12月12日 7時) (レス) @page2 id: 71c5a1ef4d (このIDを非表示/違反報告)
槻みこと(プロフ) - キノコさん» お初のコメント、お待ちしておりました!!事細かに読んで頂き、とても嬉しいです^^ 例の事件については、あと数話で判明致しますので、ぜひ読んでください。 コメント頂き、ありがとうございます! 頑張ります♪ (2020年4月19日 12時) (レス) id: b9f86bca6f (このIDを非表示/違反報告)
キノコ(プロフ) - はじめまして!お話拝読させて頂きましたがとっても面白いです!私もマツバさん好きなので読んでて「キャー」となってしまいました!度々出てくるミュウも凄く可愛いです!主人公ちゃんに過去何があったのかとても気になります!これからも頑張って下さい! (2020年4月17日 21時) (レス) id: 96e9316664 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:槻みこと | 作成日時:2020年4月9日 18時

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