・ ページ15
.
『え！？中にいたの！？
閉じ込めちゃった！？ 待ってて、今開け……』
〔ミュ〕
私はポッケから鍵を取り出して、開けようとすると
スッと姿を消したミュウが
一瞬にして私の目の前に現れる。
施錠された扉を、テレポートかすり抜けか……
余裕な表情で脱出してみせると
私の驚いた顔を見て、また嬉しそうに笑った。
『……な、なんで……』
〔……〕
そして、どこから出したのか
あのリンゴクッキーを手に持ち
目の前で食べ始めた。
『そ、それポケモン用じゃないよ！』
〔ミュ？〕
ミュウはそんな事などお構い無し
好きな時に食べたいものを食べる、とそんな事を言っている気がした。
『もう……戸棚から持ってきたのね……』
そういえばさっき取り出す時、何だか量が少なく感じたのはミュウだったのか
ということは、ベランダの花に水をくれたのもミュウだったのかも。
『……』
ふと、目の前のミュウに触れたいと思って
手が伸びるが、その手はそっと自分の横に戻った。
……なんて恐れ多い。
相手は幻のポケモンで、世界一珍しいとされているのに
何で、触れたいと思ったんだろう……
『不思議な力があるのね
私、自分からポケモンに触れたいなんて
思ったのは久々だよ』
腕を後ろで組んで、ミュウに笑いかけると
ミュウは私の顔をじっと覗き込んだ。
少し恥ずかしくて、私は逃げるように後ろに後ずさって
『……そろそろ行かなきゃ』
……と、名残惜しいが、出発しようとする
『って、バス！！
バスの時間が！！』
不意にハッとする。
現れたミュウに大興奮して
バスの時間が押している事にようやく気付いた。
走れば間に合うか……
私は左手首に付けている腕時計を確認して
『ミュウごめんね、また会えたら嬉しいな！』
私は雑にミュウに挨拶をすると、バス停へと走った。
体力が無い私は、全力ダッシュなどものの数秒で息が上がり始める
加えて、足もそんなに速くはない。
『……はぁっ、はっ……
ぴ、ピンチ……ッ』
〔ミュウ〜〕
そんな息絶えだえの私の横で
ふわ〜っと、楽しそうに浮いてるミュウ
その軽やかな動きが羨ましくて
しかも何故、今私の横で披露する！？と
相手はミュウなのに、少しの憤りを感じる程だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやか(プロフ) - 初めまして呼んだ開口に何故か「ん？」となってしまったんですけど手持ちポケモンが（キバナ）になってますよ？？ (2022年12月12日 7時) (
レス) @page2 id: 71c5a1ef4d (このIDを非表示/違反報告)
槻みこと(プロフ) - キノコさん» お初のコメント、お待ちしておりました！！事細かに読んで頂き、とても嬉しいです^^ 例の事件については、あと数話で判明致しますので、ぜひ読んでください。 コメント頂き、ありがとうございます！ 頑張ります♪ (2020年4月19日 12時) (レス) id: b9f86bca6f (このIDを非表示/違反報告)
キノコ(プロフ) - はじめまして！お話拝読させて頂きましたがとっても面白いです！私もマツバさん好きなので読んでて｢キャー｣となってしまいました！度々出てくるミュウも凄く可愛いです！主人公ちゃんに過去何があったのかとても気になります！これからも頑張って下さい！ (2020年4月17日 21時) (レス) id: 96e9316664 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：槻みこと | 作成日時：2020年4月9日 18時
