49episode.◇ ページ22
え……なんで。
取り乱しそうなのをぐっと堪えて次の言葉を待つ。
「仲いい子からグループに送られてきたんやけど……」
息を切らして慌ててる様子のその子のスマホを覗き込む。
☆え、何?これ
○盧笙先生と……あ、二組でいじめられとる
□そー!!A!!A!!
え……これどうしたん?
□この前弟が水族館行きたい言うてね!仕方ないから付いていったら面白いもん撮れたんよww
☆え、てか何?隣の子A?え、盧笙先生に媚び売っとんの??キモ……
「あ、す、すまへん!!心ないメッセージ見えたよね……」
彼女は慌てて画面をスクロールする。
優しい子。
「あー、いやいや、大丈夫だよ」
愛想よく笑顔を見せた
私は極めて平気。
自分に不利になることは比較的言われなれてる。
だから、本当に大丈夫だ。
私が大丈夫じゃなくなるのは、
□でねでね、これ広めよー思って!
○なんで?
□だってこれで先生退職とかしたらおもろくない?
先生に対してだけだから。
☆はぁ?嫌よ。あたし先生好きやもん
□えー、でも面白いやんww生徒に人気の先生!生徒に手出して退職ー!!とかな!!やば、めっちゃおもろくない???
□アイコンの生徒に心底苛立ってる。
私は泣きそうになってる。
真っ暗。深海みたいに光を宿さない。
でも口角は釣り上がったまま。
滑稽。滑稽だ。
☆嫌なもんは嫌や
というか自分そういうの最低やと思わへんの?
□またまたぁ〜姉貴はいっつもお頭がかったいねぇ
うるさい。駄目なもんはだめやろ
友達から姉貴と慕われてるこの子は本当にいい人だ。
私のこと何にも知らないはずなのに、
周りに流されず芯を突き通してる。
○というかこれさ〜?二組の人が先生のこと利用しとるちゃうん?噂ではどんな酷い仕打ち受けてもにこにこしとって何考えとるかわかったこっちゃないって
□あー!それもあるかもな!あ、じゃあAさん退学〜!とか?
☆A潰しならサンセー。一年の途中から来たときから嫌いやったんよねー。頭いいしいつも笑とってマジで他人見下してる感じが嫌やったわー
……そんな感じで思ってる人もいたんだなぁ。
私はわからなかった。
今だってわからない。
笑っていると、楽だ。
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:つづみも | 作成日時:2019年12月16日 17時