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「え、なに?この状況なに?え??」
「ここは頰を赤く染めるとこだね?」
「そんな可愛い反応求めないでくださいよ」
「一般的な反応だね…」
押し倒された状況でやりとりするこの姿は、側から見ればシュールだろう。
って、そんなことはどうでもよくて!
「とりあえずどいて下さい!
訳は後で聞きますから!」
組み敷かれた状態で反論すると、日和先輩はぴくりと肩を揺らした。…ん?
なんか様子が、変なような。
「…なんの権限があって、君は僕に指図するね?」
「……え」
やばい言い方ミスった、と思ったけれど既に遅く、薄めの柴色がぎらりと光った。
捕食者に食われる直前のカエルみたいな気分。いやなんでカエルなんだ自分。
脳が危険信号を鳴らしているというのに、関係ないことを考えていると、日和先輩の無駄に綺麗な顔が近づく。
鼻の先を柔軟剤の香りが掠める。
日和先輩が、耳元で甘く囁いた。
「僕は、かわいくなんてないね」
「…は、はひ……」
やばいやばいやばい。
流石は三年生、色気がダダ漏れでさっきまでのかわいい日和先輩どこ行った。
逃げたいけど、私の足の間に日和先輩の足が入りこんでいて逃げるのは不可能。
ず、頭突きするか?いや日和先輩の顔が横にあるから無理!
百面相をしている間にも、日和先輩は次の行動に出ようとしている。
「…ひ、っ!?」
べろり、と耳たぶを舐め上げられた。
びくりと肩が揺れるのがわかる。
「へぇ、かわいい声もだせるんだね?」
「ちょっ、やめ……っ」
またまた耳を舐められて、必死に声を抑える。ひ、日和先輩のくせに!!
日和先輩の舌が中に入ってきて、激しく暴れまわる。余計に熱くて柔らかい感触を感じてびくびくする。
「んっ、…っ、っや、」
必死に声を抑える私の耳を舐めるのをやめて、再び囁いた。
「それで、僕がかわいいんだっけ?この状況でも、まだ言える?」
「…っ、ごめっ、なさい…」
やっとの事でそう言うと、日和先輩は満足そうな顔をしてどいてくれた。
し、死ぬかと思った…!
「これに懲りたら、二度とかわいいなんて言わないね!」
「言わねーよばーか!!」
怒りで口調が乱れたのはしょうがないことだと思う。
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コフウ - はじめまして!とても面白いです!そして、この作品はこれにて完結でしょうか…? (2020年5月20日 14時) (レス) id: 16a5bce890 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 刹那(プロフ) - あるみかんさん» 受験なら仕方ないですね、、、合格目指して頑張ってください! (2018年9月11日 21時) (レス) id: 44778e7901 (このIDを非表示/違反報告)
名無しちゃんくんさん - 初めまして!コメ欄に初投稿させていただきます!とても面白くいつも楽しみにしています!受験生なんですね!!頑張ってください!!目指せ合格!!! (2018年9月3日 20時) (レス) id: c58b850b31 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - ♪咲那♪さん» ありがとうございます!更新ができない分、頑張ります。 (2018年8月26日 17時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - 受験勉強頑張ってくださいね!いつまででも待ってますw←まあ、無理はしないでくださいね!といっても私も来年受験生ですけどw (2018年8月26日 17時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるみかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=48be83eaada675e79ed496ea5cdf8f4f...
作成日時:2017年12月21日 21時