『好き』なんじゃない、『嫌いじゃない』だけ！【Ki】

いつの間にか。 ページ14

嫌…嫌だよ。

散々走りきって疲れたあたしは、
その場に座り込んだ。

「はぁ、はぁ…んっ……はぁっ…」

だいぶ、息も切れていた。

普段から運動してないから、
体力がなさすぎて、笑ってしまった。

「はっ…あは、あははは、あはは…ハァ…」

最後に出るのはため息。
それと同時に溢れ出す涙。

失いたくない。

大切な物、大切な人。

もう、何にも失いたくないんだ。

これからは大切な何かを作らない。
そうすれば何も、失わない。

本ッ当に大切で、大切で…
大切な人を失ったあの日から、

そう、決めてたはずなのに。

なのに、いつの間にか…
何よりも大切な人が出来てしまっていた。

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ｰｰｰ12年前…

『ねぇ、どうして君は引っ越して来たの？』

『…言わない』

『…言えないこと？ま、いいや。
大変なことがあったんだよね…』

『…』

『俺、宏光っていうんだ。
…君の越してきた家の隣が、俺ん家ね♪
いつでも遊びに来て良いから！
よろしくな!!! …それで、君の名前は？』

『…A…。よろしく、ひろ…』

過去。→←俺は…　宏光side

ラッキーカラー

あずきいろ

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