『好き』なんじゃない、『嫌いじゃない』だけ！【Ki】

あたしを守って。 ページ11

自分が泣いてるんだ、って分かった瞬間、
足に力が戻ってきた。

逃げなきゃ。

今すぐにこの場から、
逃げなきゃ。

ひろにこんなところ、
ばれてしまうのが…一番恐いの。

あたしは足音が聞こえてしまわないように、
そっと、そーっと出口まで、歩いた。

…つもりだった。


ドスッ


「キャッ！！」

ひろ達がいる方に向いて、
確認しながら後ろ歩きだったから、
本棚にぶつかってしまった。

宏光「えっ…Aッ…？
…っ！！！危ないッ！！！」

「…え？」

ひろはそう言って、
あたしの方へ全力で走ってきた＿＿

宏光「Aっ！伏せろっ！！」

「ちょっ…なんなn…」

ふいに上を向くと…

あたしが本棚に当たった衝撃で、
本が落ちてきていた。

…もう、これであたしの人生、
終わりなのかな…


ガンッ

ドカッ


「……あ…れ…？
痛…く…ない…？」

宏光「…ってぇ…」

え…

ひろ…？

そう、あたしが痛くなかったのは、

あたしに降りかかるはずだった本が、

あたしに覆い被さったひろの上に、

全て…落ちた、から…

その瞬間、あたしは血の気が引いた。

「ひろ！！大丈夫ッ！？」

嫉妬。→←疑心暗鬼。

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す