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「釣りは15円っすね〜」
「うす」
「まいどあり」
そういってまたバイクに跨る。
宅配バイクが故障したらしい弁当屋で、一週間小銭を稼ぐことにした。
「にしても給料少ねえ…！」
出稼ぎに溢れ労働力に困らない国だからこそ、賃金が低い。
「効率悪いな…」
一人つぶやき、次の配達場へと向かった。
そういえば、と考える。
Aは大人しくやってるだろうか…。
そんなことを思いながら、ふと目についた店へ入った。
「これ二つ下さい」
大人しくしていたらあげることにしよう。
ビニール袋を下げて日の沈んだ七時過ぎ、俺は宿へ戻った。
「ただいまーって…なにしてんすか」
「おお！おかえりバイトッピ君！」
「精神統一？みたいな感じかなぁ。いやぁすることなさすぎてさ」
はっはっはと笑うと、Aは立ち上がった。
「帰ってきていきなり正座されてたらびびりますよね」
「ごめんごめん、暇だったんだよ」
「だからって…。あ、これ」
そう言って俺はビニール袋を差し出した。
「ん？なんだいこれ」
「プリンっすよ」
「プリン？おいしい？」
「えっ、あんたプリン食ったことないんすか」
「みたことはあるよ？でも食べたことない」
「んじゃ食べますよ」
「でもショッピ君、夕飯前にこんなもの食べてもいいのかい？」
「誰すかあんた。てかAも今から食べるんやから同罪やで」
「仕方ない！罪かぶり姫になってやろう」
「どっちかといえば塵かぶりゴリラですね」
「…ねぇ私なんかしたっけ」
甘いくちどけのプリンがとろけていく。
途中少し顔を覗かせるカラメルのほろ苦さがなおいい。
無言で食べすすめるA。
「…あんま美味くなかったんすか」
「違う違う！なんかあれだよ、あまりの美味しさに言葉って、言語って、文明ってなんだろうってメソポタミアまで歩いてたところだったんだ」
「遡りすぎちゃいますか。まぁ、それならよかったです」
「いやほんと、私も良かった」
「…やっぱりあんた変わってますね」
「最近あんた呼ばわり増えたね？」
「お前って呼ぶよりはマシでしょ」
「そうなのかもしれない。まぁ何にせよ、プリンッピ君は優しい人だなぁ。こんなもの食べさせてくれるなんて」
「その語尾にショッピ要素入れるのやめてください」
「いいじゃないか可愛くて」
「そういう先輩も、屋内でもずっとヘルメット被ってるの可愛いっすよ」
「君からもらったものだもの！脱いだらなくしちゃいそうで」
「…中ではとってくれ」
なんて言いつつ満更でもない俺。
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池田めあ(プロフ) - こういう、読みやすくて短いけれど内容の濃い小説書けるの本真天才やと思います...めっちゃ泣きました。ありがとうございました！ (2019年4月21日 15時) (
レス) id: c9f0955e0b (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけると次への活力になります…！ (2019年1月17日 0時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すっごく感動しました！もう涙ボロボロです。(´；ω；`) 読んでてすごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年1月16日 1時) (レス) id: eda719901f (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - RiNさん» 有り難いお言葉です…！コメントありがとうございます！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - 未知の世界さん» コメントありがとうございます！ そういっていただけると嬉しいです…！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2019年1月9日 20時
