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「出発ッピくん！」
「へいへい」
今日も後ろにAを乗せてバイクを走らせる。
昨日より心なしか距離が近い気がするのは気のせいなのだろうか。
「バルバラってここっすか」
工場の煙突が見えてきた。
「そうだね！」
「まずは宿探しますよ」
「はい！」
「ショッピ君ショッピ君、ここに何泊くらいするのかい？」
「そっすねー、あんまり長居はしたくないから…」
バルバラは工業の国らしく、工場が至るところにある。
一言で言えば無機質で空気の悪いところだった。
「長くて一週間くらいかなあ」
「日雇いバイトってこと？」
「そうっすね、バイト探しますわ」
「私も連れて行ってよ」
「あんたはここで留守番しててくださーい」
「なんでさ」
そう言って年甲斐もなく頬を膨らませるA。
人差し指で突けば、ぶっと音がなる。
「仮にもAは女の子なんやから。宿の人の説明聞いてなかったんすか？」
工業の国とあって、ここで働いているのは出稼ぎに来た男ばかりなのだそう。
女の人は一人での外出を控えるようにと言われたのだ。
「でもなにか仕事したい！ショッピ君の役に立ちたい！」
「…はぁ、ここの宿の人になんか仕事がないか、後で聞いてみましょうかね」
「ショッピ君、さすが君は優しい人だね」
「いい加減それ飽きてください」
「飽きません」
「はぁ、とにかく仕事探してきますね」
「はーい！」
「絶対外でたら駄目っすよ？」
「はーい！」
「宿屋の仕事も俺が帰ってきてから聞いてみますから。あんたは何もしないでください」
「はーい！」
「…ほんまに大丈夫なんかなこの人」
「大丈夫大丈夫！」
「んじゃ、いってきます」
「いってらっしゃい！…これ、なんか夫婦みたいだ」
「お断りしやす」
「連れないなあ」
そんなやり取りをした後、俺は街へ繰り出した。
「夫婦ねぇ…」
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池田めあ(プロフ) - こういう、読みやすくて短いけれど内容の濃い小説書けるの本真天才やと思います...めっちゃ泣きました。ありがとうございました！ (2019年4月21日 15時) (
レス) id: c9f0955e0b (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけると次への活力になります…！ (2019年1月17日 0時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すっごく感動しました！もう涙ボロボロです。(´；ω；`) 読んでてすごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年1月16日 1時) (レス) id: eda719901f (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - RiNさん» 有り難いお言葉です…！コメントありがとうございます！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - 未知の世界さん» コメントありがとうございます！ そういっていただけると嬉しいです…！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2019年1月9日 20時
