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「よく寝たねショッピ君！」
「ふぁぁ、そっすね」
「さては君、朝弱い系男子だな？」
「あんたがうるさすぎるんっすよ」
「あはは、一理あるかも」
そんな軽い会話を交わして歩くと、右手に大通りのような場所についた。
「街、寄ります？」
「ナイスアイデア」
都会チックな町並みを進むと、ある店が見えた。
「…すんません、入っていいすか？」
「うん、全然いいよ」
そう言ってガラス戸を押し上げると、独特の香り。
「ショッピ君、バイク好きなの？」
「そうなんっすよ！」
中古店らしいバイク屋は、アンティークのバイクも並んでいて目移りが止まらない。
何時間でもこの店を見ていれる。
と、あるバイクが目についた。
この型って…
「おっ、それに目をつけるとは。お兄さん中々のバイク好きだね？」
そう言って、パイプを蒸かした店主らしき老人が出てきた。
「これ…いいっすね…」
フォルムといいエンジンといい、ガソリンの注ぎ口の位置までも俺好みだった。
「あっ、A、他の店みててもいいっすよ？」
自分の世界に入り込んでいることに気付き、声をかける。
「いいよ、君の楽しそうなところ見るの、すごく楽しい」
「…まぁなんでもいいっすけど」
なんだか癪な気もするが、本人がいいと言うならいいか。
それよりこのバイクだ。
「今なら二割引いてもいいよ？どうする？」
「買います」
「はっはっは！即答だったね、そういうの最高だ」
そう言って店主は店の奥に入ると、書類を取り出した。
「まぁ手入れの方法とかはお兄さんわかってるでしょ、あと注意点があって…」
そして契約を終えた俺は、持ち金を叩いてバイクを買った。
お金…何処かで調達しなければな…。
だが後悔は一切ない。
単に気に入ったからでもあるが、移動はバイクですることにしようと決めたからというのもある。
そしてバイク以外にも買ったものがある。
店を出て、また舗装されていない道へ戻る。
「ご機嫌だねショッピ君」
「いやほんまに。こんな場所でこんないい物にありつけるとは…！」
「君が嬉しいことは私も嬉しい！」
「あとこれ…」
そう言ってあるものを渡す。
「えっ、いいの？」
「一緒に旅するんでしょ？」
「…そうだね」
「もしかして照れてます？」
「…うるさいです」
Aは顔を隠すようにピンク色のヘルメットを被った。
「しっかり捕まっててくださいね。あんた危なっかしいんで」
エンジンの唸りが聞こえ、腰に絡んだ細い腕を確認すると、バイクは前へ進んでいった。
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池田めあ(プロフ) - こういう、読みやすくて短いけれど内容の濃い小説書けるの本真天才やと思います...めっちゃ泣きました。ありがとうございました！ (2019年4月21日 15時) (
レス) id: c9f0955e0b (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけると次への活力になります…！ (2019年1月17日 0時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すっごく感動しました！もう涙ボロボロです。(´；ω；`) 読んでてすごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年1月16日 1時) (レス) id: eda719901f (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - RiNさん» 有り難いお言葉です…！コメントありがとうございます！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - 未知の世界さん» コメントありがとうございます！ そういっていただけると嬉しいです…！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2019年1月9日 20時
