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「わぁ、お祭りだ！」
あれから適当に歩いて時間を潰した俺達は、昼間の場所に戻って祭りに来ていた。
「ショッピ君ショッピ君！なんで小魚が泳いでいるの？」
「金魚掬い、知らないんすか？」
小さな水槽で窮屈そうに泳ぐ金魚達を指差して、Aは尋ねた。
「知らないよ、だってお祭り初めてだし」
「はぇ〜25のおばさんにもなって初めてなんすか」
「失礼だな君！25はまだおばさんじゃないぞ！」
「おばさんでしょ」
かく言う俺も、2つしか変わらないのだから実質同族なのだが。
「…やりたいんすか？これ」
目を輝かせる彼女を見ていられずそう尋ねると、
「それがね、私お金持ってなくて」
「あんた今までどうやって生きてきたんすか」
「あはは、まぁ適当に？」
「なんですかそれ」
本当に掴めない人だ。
「一回だけっすからね？」
そう言って、昼間に両替しておいたお金を渡す。
実は伸びた山賊からもポケットマネーを頂戴した為、ある程度の余裕ができた。
…相手が賊だから別に盗難じゃないよね。
「やっぱり君は優しい人だなぁ」
「…言うんだろうなと思ってましたよ」
淡いピンク色のパーカーを捲ったAは、受け取ったポイを持ってしゃがんだ。
後ろに立って上から様子を覗きこむ。
「ねぇショッピ君？」
「…なんすか」
「破れた」
「知ってます」
「うん」
「…あぁもう！もっかいやります。Aは見ててください」
「本当に君は…」
「はいはい」
その後四匹の金魚が入ったポリ袋を嬉しそうに下げたAと、屋台を見て回った。
「近くに宿あるんで、今日はそこで泊まりましょ」
それにしても人が多かったな。
夏ではなく春に祭りをするのは、文化の違いなのだろうか。
「一部屋でいいよね？宿」
「いや駄目でしょ」
「あーあ、ショッピ君はえっちな子だなぁ」
「あんたが嫌でしょう」
「私はショッピ小僧とは違うもーん」
「ほんとにいいんっすね？安く済むのはありがたいっすけど」
「君が襲ったりしなければね」
「だれがあんたなんか」
「それはそれで寂しいなぁ」
「なんなんすかあんた」
結局一部屋だけ借りて、布団を二つ並べて寝た。
一応は気にしていた俺だったが、秒で聞こえてきた寝息に何故か安堵し、眠りについた。
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池田めあ(プロフ) - こういう、読みやすくて短いけれど内容の濃い小説書けるの本真天才やと思います...めっちゃ泣きました。ありがとうございました！ (2019年4月21日 15時) (
レス) id: c9f0955e0b (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけると次への活力になります…！ (2019年1月17日 0時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すっごく感動しました！もう涙ボロボロです。(´；ω；`) 読んでてすごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年1月16日 1時) (レス) id: eda719901f (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - RiNさん» 有り難いお言葉です…！コメントありがとうございます！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - 未知の世界さん» コメントありがとうございます！ そういっていただけると嬉しいです…！ (2019年1月13日 12時) (レス) id: 072c732a72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナマヨ | 作成日時：2019年1月9日 20時
